ニセ建築士とニセリフォーム会社

5月の連休中に部屋の片づけを行っていたら、古いアルバムが出てきました。
25年以上前に現場監督をしていた頃の現場写真です。

当時の建築現場では残業や休日出勤は当たり前で、現場が始まると完成するまでの間、盆休みと年末年始以外はほとんど休みがとれない事も珍しくありませんでした。
工程・品質・安全・原価の現場の四大管理はもとより、施主・監理者・諸官庁・近隣住民等との折衝など、現場代理人として多くの事を学んだ時期です。
ちょうど20代後半から30代前半でしたが、この時の経験が現在にとても役立っています。
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さて、昨日、日経×TECHに掲載されていたニュースで、「ニセ建築士、木造戸建て住宅など55棟を設計」というものがありました。
ニセ建築士が神奈川県に実在する二級建築士や設計事務所の名をかたって戸建て住宅などの設計業務を手掛けていたというものです。
このニセ建築士の実名も公表されています。

木造住宅などの一定以下の規模の建物では、建築士が設計したものについては建築確認の審査項目を一部省略できる特例があります。(4号特例)
審査が省略された項目などに関して、構造面での安全性などに重大な欠陥がある可能性があるため、心配です。

1級建築士事務所に設計を依頼しても安心できないワケ

一方、建築士事務所登録のある設計事務所やハウスメーカーに設計を依頼したとしても、決して安心できません。
実際に設計を行うのは、無資格者である事が多いのが現実だからです。
入社1~3年の所員(社員)や、ひどい場合だとアルバイトが設計しているケースもゼロではないのです。
有資格者が最終的に責任を持ってチェックしていれば良いのですが、そうとばかりは限らないので注意が必要です。

しかし今回のケースの様に、無資格のニセ建築士が話題になる事は時々あっても、無資格の建築業者が摘発される事は滅多にありません。
個人的にはむしろ、建設業許可のないリフォーム会社による大規模リフォーム工事の方がもっと危険だと思っています。

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