エアコンのドレイン管からの異音

近年は、国内にも気密性が高い住宅が少しずつ増えてきました。
住宅の気密性を高めることのメリットは
・漏気が少ないため省エネ性や断熱性が向上し、冷暖房光熱費の削減になる
・壁体内結露が防止できる
・室内の上下温度差が解消できるので室内の快適性が向上する
・外気汚染物質の侵入防止になる
・安定した室内の湿度管理が可能になる
・計画換気が可能になる
などがあります。

一方では、昔の隙間だらけの家にはなかった「シックハウス」などの弊害も生じる様になりました。
しかし実際のところ現在の我が国においては、高気密住宅の普及率はそれほど高くなく、また高気密住宅であっても施工精度が低い家が多く、断熱性も気密性も不足している住宅が大半です。

マンションでは換気扇運転による負圧の発生に注意が必要

ただしマンションは例外です。
マンションの気密性は、一般的なRC造のマンションでも高気密住宅レベルになります。

先日マンションに住んでいる方から、エアコンのドレーン管から異音がするので見て欲しいとの依頼を受けました。

原因は予想通り、換気扇の運転によって屋外に比べて室内の気圧が著しく低い負圧の状態になっているためと思われました。

給気よりも換気扇による排気のパワーが大きいため室内が負圧になると起こる現象は、他に玄関ドアが重くて開けにくかったり、鍵がかかりにくくなったりします。

戸建て住宅ではそんなに多くありませんが、気密性の高いマンションでは特に発生しやすい現象です。
第三種換気(排気を換気扇で行い、給気を給気口などの自然換気で行う換気方式)を行う場合には、室内が負圧になりやすくなります。
特に24時間換気扇とレンジフードを同時に運転すると、室内と屋外の気圧差が大きくなります。
異音はエアコンのドレーン管に外気が侵入し、管内にたまっている結露水の影響を受けて発生している様でした。
ドレーン管の端部に外気の逆流防止弁を設置することで解消できます。

また、給気口が閉じていたり、給気口のフィルターが埃や排気ガスで目詰まりしていると室内が負圧になってしまうので、給気口を点検してみると良いでしょう。

マンションのリノベーションで、エアコン配管を天井や壁の中に先行配管する際などにも必要に応じてドレーン管に逆流防止弁を設置しておくことをお奨めします。

施工は専門知識を持ったリフォーム会社に依頼する様にしましょう。
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ドレイン管の逆流防止弁

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