カラーベスト屋根について

カラーベスト(薄型スレート瓦)はスレート瓦の一種で、現代住宅に最も多く使用されている屋根材です。
周囲を見渡してみても、北国以外ではカラーベストで葺かれた屋根が圧倒的に多いと思います。
コロニアル(商品名)とも呼ばれています。

軽量で吸水率、伸縮率が少ない不燃材料なので、屋根材に適しています。
また、和瓦やガルバリウム鋼板などと比べて施工が簡単なので施工できる職人も多く、安価なので住宅会社にとってもメリットが多い屋根材です。

一方、平成18年に法規制が強化されましたが、平成18年以前に新築された住宅のカラーベスト屋根には人体に有害とされる石綿(アスベスト)が含有されている可能性があります。
屋根に葺いてある状態ではアスベストが飛散することはほとんどありませんが、葺き替え等で解体を行う際には飛散防止対策を講じる様法律で義務付けられています。

「カラーベスト屋根の家は地震に強い」って本当?

またカラーベスト屋根は、軽量なので耐震性にも効果があるといわれています。
カラーベスト屋根の重量は約68㎏/坪で和瓦(約160㎏/坪)の4割程度ですが、現在はガルバリウム鋼板(約20㎏/坪)やFRP瓦(約30㎏/坪)などの非常に軽い屋根材も多いので、必ずしも耐震上有利とはいえなくなりました。

その他、割れやすい、コケやカビが生えやすい、色あせしやすいなど耐久性の面でもデメリットがあります。
劣化したカラーベスト屋根の上を歩くと、簡単に割れてしまうので注意が必要です。
メーカーによる耐久性は約30年といわれていますが、私の経験では一般的に10年前後で塗り替えが必要になり、20年~30年で葺き替えを行う必要があると思います。
(実際には既存の屋根材を撤去しないで、既存の屋根材の上に新しい屋根材を葺くカバー工法が採用されるケースが多い様ですが、それでは屋根の重量が瓦とほとんど変わらなくなってしまうので、私はあまりお奨めできません。)

一時期日本の住宅の屋根材の主流だったカラーベストですが、近年では価格が安い、施工業者が多いなどの住宅会社側のメリットばかりが目立ってしまい、建築主のメリットはあまり感じられなくなりました。
ガルバリウム鋼板やFRP瓦、新素材瓦などの様に、30年前後基本的にメンテナンスが不要となる様な技術改良が待たれます。
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現代住宅に最も多く普及しているカラーベスト屋根

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