ポケモンGOの使用をめぐる交通事故やトラブルが続出している様です。
この様な事は、配信前から既に多くの方が懸念していた事です。
事故を起こす当事者は、あくまで自己責任ですが、小さな子供や事故に巻き込まれる方にとっては、自己責任で解決する問題ではありません。誰もが事前に予測できた事態なので、配信元に対して、責任を問われても仕方ありません。
大きな事故が発生する前に、配信元としても、何らかの対策を講じる必要があるのではないでしょうか。
さて、地震対策として、既存の住宅にダンパーなどの制震(制振)装置を取り付ける制震リフォームが増えている様です。
熊本での地震被害の様子を見て、制震リフォームを検討している方は多いのではないでしょうか。
制震とは、エネルギー吸収体を住宅内に配置する事で、地震で大きな揺れを受けた時に、建物の変形を抑えてダメージを低減させる事を目的としています。免震に比べて、コストが大幅に安いため、リフォームのみでなく、新築住宅でも採用される様になりました。
しかし、どんな住宅でも制震装置を設置すれば効果があるわけではないので、注意が必要です。
また制震装置にも様々な種類があり、中にはあまり効果がなさそうなものもあるので、信頼できるメーカーの商品を採用する事が大切だと思います。いつ起きるかわからない大地震の発生に備えるものなので、10年、20年先まで長期に渡って効果を発揮するものでないと、設置する意味がありません。
わが国における制震の位置付けは、あくまでも耐震あっての追加装備です。耐震構造は建築基準法で義務付けされていますが、制震、免震は任意で行うものです。
ある程度の耐震強度が確保されていれば、制震装置は有効に機能しますが、強度が低い建物にいくら制震装置を設置しても効果は期待できません。
制震装置を設置する際には、事前に耐震診断を行い、強度を確認しておく事が必要です。
それでは、制震装置を設置すると、どんな時に効果があるのでしょうか。
熊本地震では、大きな揺れが何度も発生しました。今も余震が続いています。最初の大きな揺れには耐えても、繰り返し発生した揺れに耐えきれず、倒壊してしまった住宅は多かったといいます。
木造住宅での現行の耐震基準は、1回の震度6程度の地震で倒壊しない事を定めているものです。
耐震構造は、柱と梁を面材や金物でガッチリと固定して、地震で破壊しないだけの強度を確保するものですが、金物固定は揺れを受ける度にどんどん緩んでしまいます。また、耐力壁を構成する筋違いや合板も、強い揺れを受ける度に徐々に損傷してしまうのです。
制震装置の問題点
制震装置は、建物の揺れを抑え、構造体の損傷が軽減されるため、繰り返し発生する余震に有効とされています。数回の揺れを受けても、耐震強度が落ちないというのが最大のメリットです。
しかし、地震の揺れ方にも様々な特徴があるので、全ての揺れに対して制震装置が有効に働くかどうかはわかりません。
現在のところ、制震装置に過剰に期待するのは避けた方が良いと思います。
まずは、しっかりとした耐震補強を行った上で、耐震を補うものとして制震装置を検討する事をお奨めします。