サイディングの外壁塗装に注意!

数多い住宅リフォームの中で、外壁塗装は最もポピュラーなリフォームメニューのひとつですが、外壁塗装に関するトラブルの発生率は決して少なくありません。
トラブルの多くは、塗り替えてから数年後に発生する塗膜の膨れや剥がれ、亀裂などです。
弊社にも1年に数回、外壁塗装工事の不具合に関するご相談があります。

原因のほとんどが手抜き工事による施工不良に起因するものです。
剥がれかかった旧塗膜の上から塗装を行う、規定の塗布量を守らずに塗料を薄めて使用する、下塗りに手を抜いたため中塗り・上塗りとの密着度が低くなる、規定の乾燥時間を守らない、本来3回塗りすべきところを2回塗りで済ませてしまう、契約した塗料よりも安い塗料で塗装する、などが代表的な手抜き方法です。

塗装工事は建築工事の中でも最も手抜きしやすい工事です。
仕上がってしまえば、たとえ専門家が見ても手抜き工事があったかどうかを見分けるのはなかなか困難です。
完成検査だけいくら細かく行ってもあまり意味がありません。
手抜き工事による不具合が発生するのは早くても数か月後なので、発覚した際には既に手遅れといったケースもあります。
塗装工事では特に工事中の品質管理が重要なのです。

しかし手抜きがなくても、業者の無知により不具合が生じることもあります。
外壁塗料には現在使用されている塗料や外壁材によって相性の良いものと悪いものがあります。
既存の状況によっては、どんな塗料を使っても良いわけではありません。
特に既存がサイディングの場合には注意が必要です。

直貼りサイディングの塗り替えは禁物!

サイディングは現在の住宅では最も多く使用されている外壁材です。
サイディングの施工方法には直貼り工法と通気工法があり、2000年の4月に通気工法が品確法の標準工法になるまでは、多くが直貼り工法で施工されていました。
現在の新築住宅でも、ごく一部の住宅は直貼り工法で施工されています。

窯業系サイディングの直貼り工法では、水分が入り込むとサイディングが湿ってしまい、蒸発する際に塗膜が押し上げられるため、塗料の膨れや剥がれが発生します。
よってサイディングの直貼り工法は、基本的には塗り替えに不向きです。

また、サイディングを再塗装する際には、モルタル外壁の塗り替えで良く使用される弾性塗料を使用してはいけません。
吸水性の高いサイディングに含まれる水分が蒸発する過程で、弾性塗料を塗った部分は非常に膨らみやすくなります。

これらの事は、しっかりとした塗装工事業者であれば当然知っていることです。

しかし一部には、こうした専門知識がない業者や、サイディングの直貼り工法と通気工法の違いさえも見分けがつかない営業優先の塗装業者、リフォーム会社の営業担当者などもいるので、注意が必要です。
ろくに現地調査も行わずに見積もりを提出する業者は危険です。

外壁塗装を行う際には、1社の話だけで決めずに、複数の業者から話を聞いて業者を決めることをお奨めします。

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サイディングの塗装面に発生した膨れや剥がれの例

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