4/20のYahooニュースで、気になる記事を見つけました。
記事によると、「分譲マンションの大規模修繕工事を巡り、施工業者選びや仕上がりのチェックをするコンサルタントが、受注業者にリベートを要求して住民に損害を与えるケースが相次いでいる。」といいます。
リベートは工事費の20%に上るケースもあるといい(1億円の工事で2,000万円!)、国土交通省が住民に注意喚起するよう管理会社や管理組合の団体などに通知したとの事です。
専門知識を持たないマンション管理組合を、設計事務所や管理会社がコンサルタントとして支援するケースは少なくないでしょう。
しかしこれは同じコンサルティング業務を行っている立場から、決して見過ごす事ができない問題です。
20%近くのリベートが発生するとなれば工事費の高騰は免れず、手抜き工事が行われる可能性が非常に高くなるのは間違いありません。
コンサルタント選びにも十分な注意が必要!
分譲マンションの大規模修繕工事では、設計・監理と施工を分離して発注するケースが多く、設計・監理を受注した設計事務所や管理会社が施工業者にリベートを要求して便宜をはかるという構図です。
自分の息がかかった業者に受注させたり、工事のチェックを手加減するなどとなれば、住民に大きな損害を与えます。
建設業界では、古くから様々なリベートが横行していました。
身近なところでは、不動産会社や銀行が顧客に住宅会社やリフォーム会社を紹介する場合にも、両者の取り決めによって5%前後のリベートが発生するのが一般的になっています。
しかし住宅会社やリフォーム会社にとっても、自ら広告宣伝費をかけて集客するよりもむしろ効率が良いので、この程度のリベートであれば施主が損害を被る事はほとんどありません。
(ただし会社間で取り決めたリベートの他に、個人的な見返りも要求する不動産営業マンも中にはいるので要注意です。)
また、最近人気の高いリフォーム会社紹介のポータルサイトなどでも、成約したリフォーム会社からサイト運営会社へ5%程度の手数料を支払うケースは珍しくありません。
しかし、本来専門知識を持たないマンション管理組合を支援する立場のコンサルタントが、施工会社からもリベートを受け取るとなると大きく事情が異なります。
管理組合からも報酬を受け取っている訳ですから、完全に背任行為といえるでしょう。
この様な背景には、コンサルタント業務だけでは経営が成り立たないという事情があると思います。
実際にコンサルタント業は「形がなく、見えないビジネス」と思われがちです。
本来、自らの経験やスキルを活かして困っている人の手助けをするのがコンサルタントの仕事です。
今後は、コンサルタント選びにも注意が必要になりそうです。