住宅トラブルは何故発生するのか?

2005年11月に発覚した耐震偽装事件は、ごく一部の建築士、マンション分譲会社、ゼネコンが結託して法律違反を行った悪質な事件でした。
しかし、住宅、不動産業界への信頼を大きく損なうこととなり、建築基準法の改正や、住宅瑕疵担保履行法が生まれるきっかけになりました。
これら各種の規制強化が業界に大きな影響を与えた事は記憶に新しい事です。

また、欠陥住宅が大きな社会問題として意識されるようになったのは、この事件よりもだいぶ古く、1960年代から70年代にかけてと言われています。
それまでは中小零細の地域の工務店や大工による施工がほとんどだった注文住宅が、全国的なハウスメーカーで建築される様になって、マスコミも社会問題にしやすかった背景があったと言われています。ハウスメーカーによるプレハブ住宅が本格的に普及し始めたのもこの頃でした。

一方、高齢者などを狙ったリフォーム詐欺は、2004年の特定商取引法改正後には少なくなったとはいうものの、現在でも時々ニュースになっています。
大きな地震などが発生すると、人々の不安を煽って耐震補強と称した意味のない工事を行う事で有名になりましたが、これらの悪質業者が全て淘汰されたわけではありません。

住宅関連産業、リフォーム業界は「クレーム産業」といわれている事をここで何度もお伝えしてきました。
しかし、耐震偽装や訪問販売によるリフォーム詐欺、手抜き工事による欠陥住宅などの大きな社会問題となる様なトラブルは、ごく一部の悪質な業者によるものに過ぎません。多くの業者が法律を遵守して、適切に業務を行う努力をしています。
しかしそれでもこの業界からトラブルはなくなりません。それには、この業界特有の理由があります。

建築の工法は、技術革新や機械化などで現場作業の省力化が進んでいるとはいえ、最終的には職人の技量に負う面が大きく、作業環境も一定ではないので、どうしても一定の確率で施工ミスが生じる可能性があります。また、住宅を建築、販売する立場からは、事前に十分説明しているにもかかわらず、消費者側が十分理解できずにトラブルになるケースも少なくありません。
消費者の立場から見れば、住宅は恐らく人生最大級の買い物で、20年30年のローンを返済しながら一生つきあうものなので、ほんの些細なミスや不具合であっても許すことはできないという思いがあります。
この両者の思いが衝突すると、問題が深刻化しがちで、やがて大きなトラブルに発展してしまうのです。

住宅トラブルを回避するためには、消費者側の努力も必要

その様な事になるのを避けるためには、業者側、消費者側共に、「自己責任」の意識を強く持っておく事が重要です。
業者側は、商品や取引、会社などについての十分な説明を行い、消費者側もそれらの説明が理解できる様、事前に学習しておく必要があります。
また業者側の説明は、現物を前にして行う訳ではなく、図面や仕様書などの設計図書、カタログ等で行われるので、消費者もある程度図面が読める事が必要です。
決して他人任せではいけないのです。
自ら学習するのが難しい場合には、信頼できる建築の専門家をパートナーにする方法もあります。

とはいえ、取引の経験や建物の知識に欠ける消費者に対して、まずは業者側が積極的に説明責任を果たす努力を行わないと、この種のトラブルは決してなくなる事はないでしょう。

2014-11-031

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