中古住宅内覧時のチェックポイント

購入予定の中古住宅の内覧で、自分で欠陥住宅かどうかを見分けるのは建築工事に関わっている人でないと難しいと思います。
しかし内覧を行う際に、一般の方でも施工品質や職人の腕を見分ける方法があります。

室内を内覧する際には、まず各部屋の入隅(いりずみ)に注目してください。
入隅とは部屋の四隅のことで、私たちが建物の竣工検査を行う際にもはじめに入隅から検査します。
なぜなら、入隅を見ればその家が丁寧に建てられた家なのかどうかや、職人の腕が良いかどうかを見極めることができるためです。

以前の住宅では、和室の入隅を見れば大工の腕が一目でわかったものです。
腕の良い大工が建てた家は、和室の入隅の長押や廻り縁などが隙間なくピッタリと納まっていました。
購入しようとする家に本格的な和室がある場合には、是非入隅に注目して欲しいと思います。

近年では本格的な和室は少なくなりましたが、洋室の場合でも入隅の巾木や廻り縁に隙間があいていたり、クロスが切れていたりする場合には、職人の腕が悪いか雑な施工である可能性が高いと思って良いでしょう。

木は乾燥すると収縮するといってもそれは20年以上前の家のことで、築20年以内の住宅であれば巾木や廻り縁などの造作材に無垢材が使われているケースはほとんどありません。
造作材が乾燥で収縮することはないので、隙間の原因は施工不良と思ってほぼ間違いないでしょう。

また構造材に無垢材を使用するケースでも、乾燥材を使用していれば仕上げに大きな影響を与えることはほとんどないはずです。

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部屋の入隅のクロスや巾木に隙間がある場合には、職人の腕が悪いか雑な施工がされている可能性が高い

隙間だけなら見た目の問題でも、目に見えない欠陥が潜んでいる可能性が否定できない!

部屋の四隅を入隅と呼ぶのに対して、出っ張り部分の角のことを出隅(ですみ)といいます。
次に注目するのが出隅です。
出隅や入隅部分の巾木や廻り縁などは突合せ部分を斜め45度にカットして納めます。
この部分に隙間があったり、出隅の壁のラインが真っ直ぐに通っていない場合には、施工精度に問題があります。
これだけなら見た目の問題なので欠陥とまでは言えませんが、家の中のあちらこちらで数多く隙間が見られる様であれば建物の品質はあまり高くないので、構造材の接合部にも隙間が生じている疑いがあります。
構造材に隙間があると建物強度に悪影響を及ぼすので事態は深刻です。

築年数が経過すれば、地震や振動の影響で少しずつ隙間が出るのは仕方のないことですが、数多く極端な隙間が見られる様であれば、売買契約する前に専門家に建物調査を依頼した方が良いでしょう。

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