日本不動産仲裁機構の「ADR調停人候補者」資格を取得してからもうすぐ2年になります。
ADRとは裁判外紛争解決手続のことで、裁判によらずに話し合いでトラブルを解決させる手法を指します。
不動産・建築業では、消費者に専門的な知識がない上で極めて高額な商品の取引をするためにトラブルが絶えません。
実際に弊社にも、リフォームや建築に関するトラブルを抱えた方からの相談がたびたびあります。
施工に不満がある、価格は妥当なのか、契約内容と実際の施工内容が違う様だ、法外な追加工事を請求された・・・などの相談です。
住宅の建築・リフォームに関するトラブルの相談先には建築紛争審査会・消費者センターや弁護士事務所などがありますが、建築紛争審査会や消費者センターは事情聴取をしてくれるだけで問題解決には至らず、弁護士は敷居が高いということで、どこに相談したらよいのかわからないという方が多いのではないでしょうか。
一般に弁護士資格を持つ人以外が報酬を得る目的でトラブル解決を行うのは、弁護士法で非弁行為として禁止されていますが、日本不動産仲裁機構の実施するADR手続の中での調停人としての活動は例外として認められていて、同機構から所定の報酬を受け取ることができます。
実際にADRの調停人として活動して報酬を受け取ったことはありませんが、調停人候補者としての資格を取得したことで、通常業務の場面においてもクライアント様からのトラブル相談の際に役立つことがあります。
ADRは、裁判の様に強権的に紛争を解決させるものではありません。
あくまでも両当事者が紛争解決のために互いに歩み寄る姿勢を持つことが大切で、調停人には中立的な立場から解決案を提示して当事者の合意を促すことが求められます。
ただし紛争の原因について追及し、自分の正当性を全面的に主張することを望むのであれば、弁護士に相談して裁判により解決するしかありません。
したがって弊社では工務店やリフォーム会社に対して損害賠償を求める手続きなどを行うことはできませんが、現場を確認して第三者の中立的な専門家の立場から助言を行い、必要に応じて施工会社との話し合いに同席することは可能です。
(ただしその際には、現場調査費用と報告書作成費用をご請求させていただいております)
建築やリフォームの工事に疑問を感じたら、早めに第三者の専門家に相談を!
しかし一度トラブルになってしまうと、問題解決までに時間がかかってしまうことが多くなります。
契約前や工事中に疑問を感じたら、施工会社とトラブルになる前に早めに第三者の専門家に相談することが大切です。