基礎や外壁モルタルのひび割れ

いよいよ明日に迫った都知事選。東京都民でなくても、結果が気になります。

さて、皆さんがご自分の家や、これから購入しようとする家の基礎に、クラック(ひび割れ)を発見すると、思わず「欠陥住宅ではないか?」と不安になる事があるかもしれません。
昨日も、ご自宅の基礎のひび割れを見つけて不安になった方から、お問い合わせの電話がありました。

コンクリートには、もともとひび割れしやすいという特性があり、現在のところひび割れをなくす技術は開発されていません。
どんなにしっかりとした施工を行っても、ひび割れを100%無くす事ができるとは限らないのです。
基礎に生じたクラックにも、施工不良や構造的な欠陥が原因のものと、材料の特性上避ける事ができないもので構造上問題のないものの2種類があります。

クラックの原因で最も多いのが、コンクリートの乾燥収縮によるひび割れです。
コンクリートは、内部に含まれている水分を、時には1年以上の時間をかけて放出すると言われていて、その過程でひび割れが発生する事もあります。ホームインスペクションでは、ひび割れの幅を測定し、幅0.3mm未満であれば、雨水の侵入する可能性は低いとして「補修不要」、0.3mm以上0.5mm未満のものを「補修が望ましい劣化事象」、0.5mm以上のものを「著しいひび割れで補修が必要」と位置付けていて、1mmを超える様なひび割れがあると他に構造上の欠陥がないかどうかを疑います。
しかし、幅0.3mm未満の小さなひび割れでも、あちらこちらに多数発生している様であれば、注意深く建物調査を行う必要があります。
ひび割れ幅の測定には、クラックスケールを使用しますが、一般の方でもホームセンターやインターネットで400円程度から購入する事ができます。
ただし、基礎表面にモルタル仕上げがされている場合は、ひび割れしているのが、表面のモルタル仕上げ部分のみである事もあるので、注意が必要です。

気をつけたいひび割れとは?

また、ひび割れが生じる方向によって、原因を推測する事ができます。あくまでも目安ですが、基礎に良く発生する縦方向のひび割れの場合は、乾燥収縮によるものの可能性が高く、縦方向で且つひび割れ幅が0.3mm以内であれば、さほど心配はいりません。
(鉄筋のかぶり厚不足が原因のひび割れの可能性もゼロではありません。)
しかし、床下換気口コーナーに斜めに入るひび割れの場合には、地震などの応力が加わって生じた可能性や、補強鉄筋の施工不良が原因の可能性があります。

同様に、外壁モルタルの窓やドアのコーナーに、斜めにひび割れが生じている場合にも、地震などの影響の可能性や、下地のラスの補強不足など、施工不良の疑いもあります。この場合は、構造的にどの様な問題があるのかを詳しく調べて、他の事象と併せて総合的に判断し、根本的な原因を解消する必要があります。
中古住宅の仲介を行う営業マンなどが、施工不良や構造的に問題があっても、「経年劣化や乾燥収縮が原因なので問題ない」などと言って済ませようとする場合もあるので、注意してください。

下の写真は、ホームインスペクションでクラックスケールを用いて基礎のひび割れ幅を計測している様子ですが、この程度の幅で、縦方向に生じたクラックであれば、ほぼ問題ありません。

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