昨日、木造住宅の耐震診断セミナーに参加してきました。
熊本地震での建物被害の調査報告、過去の地震被害や特徴、年代別や診断法別の耐震診断評点の傾向から、現地調査のポイント、耐震補強設計のポイント、耐震補強工事概算費用の算出など、耐震診断についての知識を深めるためのセミナーです。
耐震診断のみでなく、ホームインスペクションを行う上でも非常に参考になる内容だったと思います。
さて、熊本地震でのマンションの被害状況も徐々に明らかになってきた様です。
戸建住宅と比較して、被害が少なかった様に思われるマンションでも、ニュース映像を見る限りは、かなり深刻な被害を受けているものもありそうです。中には1階部分が完全に潰れてしまったものもありました。
マンション被害では、縦に真っ二つに割れたとするマンションの画像がインターネットやニュースで大きな話題にもなりました。
この画像を見て、建物の欠陥を疑ったり、必要以上に不安を煽られた方も多かったと思います。
しかし、建築の専門家が言う様に、これは建物にあらかじめ設置されたエキスパンションジョイント部分が壊れて隙間が生じているもので、初期の報道にあった様な建物の欠陥が原因の亀裂ではありません。とはいえ、エキスパンションの可動域を超えて、躯体接合部まで著しく損傷してしまう事までは、想定内だったとは言えないでしょう。
耐震設計通りに機能した結果なので、全く問題がないというのは楽観的過ぎです。
今回の地震の破壊力が想像以上だった事を物語っています。
震災被害と報道責任
今回の地震で、応急危険度判定の結果、例え倒壊の危険性がないと判定されたとしても、今後も安心して暮らしていけるかどうかは別の問題です。
繰り返し何度も大きな揺れを受けた事による建物の目に見えないダメージは相当なもので、強度低下は否めません。
しっかりとした詳細な調査をもとに、的確な補修工事や補強工事を行う必要があります。
今後も建物の被害状況が明らかになるに従い、様々な報道がされると思いますが、マスコミは安易な報道は避けて、しっかりとした検証をもとに報道して欲しいと思います。