中古住宅を購入された方から、入居後に電話で相談を受ける事が時々あります。
その中で多いものが、「台風の際に雨漏りがあって、不動産仲介業者に修理を依頼したら、有償になりますと言われた。」というものです。
新築住宅の場合は、売主に瑕疵担保責任がありますが、中古住宅の取引では、「現状有姿」が前提なので、契約で売主の瑕疵担保責任が免除されている事も少なくありません。
この場合は、残念ながら買主自らが費用を負担して修理するしかありません。
また、雨漏りに次いで中古住宅の引き渡し後に相談を受けるもので多いものは、「カビが酷い」、「以前住んでいた賃貸住宅と比べて冬寒い」といったものでした。物件契約前にホームインスペクションを行っていないのはどの方も共通しています。
いずれも雨漏りや断熱施工の不具合などが関係している可能性が高いのですが、いずれのお客様も、物件購入をとても後悔している様子でした。特に、購入した住宅の築年数が、以前住んでいた賃貸住宅の築年数よりも古いと、断熱性能が劣る可能性が極めて高くなります。
雨漏りなどは、状況によっては少ない費用負担で修理可能な場合もあるのですが、中には原因を究明するだけでも大きな負担となる場合もあるので、侮れません。
また雨漏りによって、構造躯体にまですでに大きな損傷を受けている事もあります。
購入を避けるべき中古住宅
このような被害にあわないようにするためには、専門家による物件契約前のインスペクションは欠かせないのです。
特に、売主の瑕疵担保責任が免除されているような物件では、絶対に必要だと思います。
売りに出す前に、内装だけそっくり綺麗にリフォームしてある物件などは要注意です。
「なぜこの物件は売りに出ているのだろう?」、「なぜ内装だけ綺麗にリフォームされているのだろう?」、「なぜ他の物件と比べて、築年数が浅い割に安いのだろう?」など気になる点があれば、納得のいく説明を求めたいものです。
そして、中には売主や不動産業者の担当者が、ホームインスペクションを行う事に難色を示す事もあると聞きます。
このような場合には、建て替える予定でなければ物件購入を見直すべきです。
家を購入する機会は、一生のうち何度もある事ではありません。
そして購入の際には、長期の住宅ローンを組んで、ローンが完済するまでは、土地と建物には抵当権が付けられます。
家は決して妥協して購入するものではありません。