少し古い情報ですが、日本ホームインスペクターズ協会が、ホームインスペクション利用者100人を対象に行ったアンケートの結果(2010年8月発表)があったので、その一部をご紹介します。
・ホームインスペクション(住宅診断)をなぜ利用しようと思いましたか?
1位 高い買い物なので、とにかく一度プロのアドバイスを受けておこうと思った。 36%
2位 購入を検討する物件について劣化状況など具体的な不安点があった。 33%
3位 自分達だけでは、物件の何をチェックすればいいのか全然わからなかった。 10%
・ホームインスペクションを利用してみてどう思われましたか?
1位 売り物件についている情報量にかかわらず、第3者性が大切なので、買主側が自分で選んだホームインスペクターを
利用するのが良いと思う 60%
・ホームインスペクションを利用して一番強く思った感想
1位 建物で見ておかなければならないポイントを全然知らなかったので勉強になった 32%
2位 書籍や雑誌、Webなどでひととおり情報収集や勉強をしたが、それでも気づけなかった劣化や注意点が事前にわかって
安心できた 23%
・ホームインスペクションを利用して二番目に強く思った感想
1位 ホームインスペクションの結果を聞き、自分が希望していたリフォームに加えて、ついでに修繕すべき部分とか性能
向上の助言など、リフォーム検討の幅が広がった 24%
2位 建物で見ておかなければならないポイントを全然知らなかったので勉強になった 18%
・中古物件購入検討時に一番困った事
1位 建物の性能やコンディションについて説明や情報がなかった 21%
2位 物件の図面や履歴がなかった 17%
・中古物件購入検討時に二番目に困った事
1位 建物の性能やコンディションについて説明や情報がなかった 22%
2位 物件の図面や履歴がなかった 11%
・もしもう一度中古住宅を購入するとしたら、ホームインスペクションを利用したいですか?
利用したい 95%
無回答 5%
・一戸建て住宅の性能で一番気になる性能はどれですか?
1位 耐震性能 52%
2位 断熱(省エネ・快適)性能 18%
3位 メンテナンス(修繕しやすさ)性能 10%
今後益々増えそうな中古住宅の耐震性能の不安に対するホームインスペクターの役割
これらの内容から、中古物件購入時には、やはり多くの方々が物件のコンディションや性能に不安要素を抱えており、自分では解決できないために専門家に調査を依頼する事がわかります。
私が依頼を受けたお客様も、購入物件に何らかの不安を持っていた方がほとんどです。
中古物件の売買では、一般的には建物のコンディションや性能に関して、充分な説明や情報提供を受ける事はありません。
仮に説明があったとしても、不動産仲介担当者の主観的なもので、何の根拠もない事が多いでしょう。
また、調査を依頼する半分以上の方が物件の耐震性能に不安があり、この傾向は震災の影響もあって今後一層増えると思われます。
私たちホームインスペクターは、依頼者のこれらの不安を解消し、安心して生活できる様、正確な診断と適確なアドバイスを追求していかなければならない事を改めて実感しました。
ホームインスペクションに併せて、耐震補強や建物のメンテナンスについてのアドバイスをしっかりと行う事も重要です。
我が国では欧米などと違って、ホームインスペクションの利用率は大変低くなっています。住宅は大きな買い物です。僅かな費用で安心が得られるホームインスペクションをもっと多くの方に利用していただきたいと思います。