全国に820万戸あるといわれる空き家を活かそうとする人が増えています。
現在はインターネットがあればどこでも仕事ができるので、地方の空き家に移住してIT関連ビジネスを起業したり、民宿やカフェなどを営む人達です。
空き家を上手く活用できれば、そのメリットは大きいはずです。
さて、500万円未満のリフォームは建設業の許可不要。建築一式工事で木造住宅150㎡未満なら1,500万円まで許可なしで工事可能です。そんな参入障壁の低さが、建築知識を持たない素人集団がリフォーム業に次々と参入する原因になっている事は何度もお伝えしてきました。
インチキリフォーム業者が行う欠陥リフォームが大きな社会問題になっても、基準を見直す動きは全くありません。
そもそもリフォームといっても、壁紙の貼り換えや外壁の塗り替え、キッチンやユニットバスの交換から増改築まで内容は多岐にわたります。
だから建物の構造がわからない自称リフォームデザイナーが、構造上重要な柱を撤去してしまったり、本来増改築を行う際に既存の部分を補修や補強する必要があるにもかかわらず、そのまま放置してしまったりする欠陥工事が後を絶たないのです。
また、準防火地域や防火地域の増改築には建築確認申請が必要(その他の地域は10㎡超)なのを知らずに工事を行ったり、法外な金額ででたらめな工事を請け負い、あとは下請けに丸投げの業者もいます。
さらにリフォームの場合は、新築工事の様に基本構造や雨漏り等の10年保証は義務付けられていません。
保証期間や保証内容も業者によって異なり、全く保証のない場合もあります。
また、リフォームは適正価格が見えにくいのも悪徳業者がはびこる原因になっています。
リフォームする家は新築時の施工状態や劣化の程度もまちまち。同じ工事でも建物の状態によって見積金額が異なるのは当たり前です。
事前に調査しても、解体して初めて柱や土台が腐食しているのがわかることも珍しくありません。
念入りに調査をしてこれらの腐食を事前に発見しても、見積書に計上すると見積金額が高額になってしまい、契約欲しさに安値で受注し、手抜き工事で帳尻を合わせる業者に価格面で負けてしまう事だってあります。
定額制リフォームや相見積もりにも落とし穴が・・・・
そんなリフォーム工事の価格のわかりにくさに一石を投じたのが、大手不動産会社の定額制リフォームでした。
「坪当たりいくら」というわかりやすい金額で受注し、着工後に見つかった不具合も追加料金なしで直すといいます。
しかし、この様なパックプランにも問題が潜んでいます。
下請け業者にも追加工事の請求を認めないので、下請け会社の手抜き工事などのトラブルも決して少なくないはずです。
解体して柱や土台が腐っていたら、どの様な方法でどこまで直してもらえるのか、きちんと説明を受けて書面化してもらいましょう。
リフォーム工事で複数の業者から相見積もりを取ると、業者によって2~3割近く異なる事も珍しくありません。
また施主の中には、劣化部分の補修や耐震補強などの見えなくなってしまう部分に費用をかけるのを嫌がる方もいます。
だから建物の劣化や耐震性能などに関心のない(わからない)、一見安そうな見積もり金額を提示する「なんちゃってリフォーム業者」がいなくならないのです。
相見積もりを取ったら、単に金額の安い業者に決めてしまうのは非常に危険です。見かけの安さに騙されてはいけません。
もし、知人に建築士や現場監督などがいたら、相場を確認しておきましょう。
また書店には、「積算資料ポケット版 リフォーム編」などの参考図書が2,500~3,000円程度で売られているので、購入して自分で調べてみるのも良いでしょう。リフォーム工事のだいたいの相場がわかります。
リフォーム工事では様々な条件や制約がある事に加えて、リフォーム業者のスキルもピンキリなので、施主と業者の意思疎通がうまくいかずに起きるトラブルが非常に多い様に思います。
「リフォームだから」と甘く考えていると、後々大きな後悔をする事になってしまいます。
これは決して脅しではありません。
30年以上住宅会社で新築とリフォームを両方経験した実体験から言える事です。
弊社では、リフォーム業者の見積書や図面のチェック、打ち合わせ同席、検査、業者選定アドバイス等も行っています。
お気軽にご相談ください。
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