ハイブリッド住宅とは?

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。

新しい年を迎えましたが、数年前から巷では「ハイブリッド」な商品やモノが売れています。
「ハイブリッド」とは元々「種や品種が異なる植物や動物から生まれた子孫」、「異種のものを組み合わせたもの」という意味です。(Wikipediaより)
本来の意味からいうと雑種や混成物を指すものなので、決して良いイメージばかりではないはずですが、食品や自動車などの改良に用いられ、「高配合」
という意味合いを持つ様になったと思われます。現在では食品や自動車以外にも時計やボールペン、電化製品やパチスロ、複合型レジャー施設から預金口座にまでハイブリッドの名が使われていて、いたるところにハイブリッド商品が溢れています。
また余談ですが、利用できるものは柔軟に利用し、超ご都合主義・いいとこ取りの女性をハイブリッド・ウーマンと呼ぶのだそうです。

「ハイブリッド=高性能」と本当に言えるのか?

ツリーハウス
そして住宅にも「ハイブリッド住宅」なるものが存在しています。
あるハウスメーカーでは鉄骨フレームで作ったボックスを現場で組み立てるユニット工法と鉄骨ラーメン構造を併せたものをハイブリッド住宅と呼び、またある住宅会社ではガスと電気をミックスして利用する住宅をハイブリッド住宅と呼んでいます。
特に決まった定義があるわけでなく、複数のものから「いいとこ取り」した住宅をそれぞれの会社でハイブリッド住宅と名付けて、その性能をアピールしている様です。

この様に昨今では「ハイブリッド=高性能、高品質」であるかの様に思われていますが、個人的には疑問を感じます。
自動車でいえば、低燃費、高出力で静かな車はこれからの時代にマッチしているのは間違いないといえるのですが、ガソリンの匂いとエンジン音がないのはもはや車ではなく、全く別の乗り物という気がします。

住宅も同様です。構造や工法、住宅内部で消費するエネルギーを「いいとこ取り」しただけの住宅が果たして高性能といえるのでしょうか。単にいいとこ取りするだけでなく、ひとつの工法や構造形式、ひとつの資材を愚直なまでに研究・改良を重ねて出来上がったものこそ「高性能・高品質」の名に相応しいと思えてなりません。住宅は図面上やカタログの数値だけで語れるものでは決してないと思うのです。
住宅は工業製品と異なり、工場で完成するものではありません。現場でたくさんの職人が汗水垂らして出来上がるものです。本当に高品質な住宅は実際に作業を行う職人の技と優れた現場管理抜きでは成り立たないのは今も昔も変わりありません。

千葉市のホームインスペクション専門会社匠住宅診断サービスTopへ戻る