臭いで住まいの欠陥を探す

中古住宅のホームインスペクションをする際には視覚や触覚による確認が大切ですが、私は臭覚による確認を重要視しています。
中古住宅ではタバコの臭い、ペットの臭い、かびの臭い、下水の臭いなど様々な臭いがしますが、生活臭はやむを得ないにしても、かびの臭いや下水の臭いが強い場合は住まいにどこか欠陥がある可能性が高いので要注意です。

玄関ドアを開けて最初に室内に入る時や床下点検口や天井点検口から最初に頭を入れる時には、特に集中して臭いを感じる様にしています。

家に入った瞬間カビ臭さを感じる様なら、雨漏りや漏水、結露などの重大な欠陥を疑ってかかります。
建物にとって水分や湿気は大敵なので、綿密に調査を行う必要があるためです。

また下水の臭いが強い場合も注意が必要です。
長期間排水を流していない場合には、排水トラップの封水が切れて臭いが上がってくる事がありますが、それ以外でも排水管の勾配不良が原因で排水管内に汚れがたまって悪臭源になっていたり、排水枡の詰まりや排水パイプの防臭キャップのはずれなどの事例もあります。
下水の臭いはなかなか原因を究明するのが難しい傾向にあるので(臭いの感覚も人によって異なります)、万一我慢できない臭いがある様なら、購入するのは控えた方が良いかもしれません。

中古住宅の下見の際には「臭い」を重視する!

一方最近では、売主様が居住中の物件でホームインスペクション中になんとなく「かび臭さ」を感じたため入念に調べたところ、24時間換気システムが原因と思われた事例がありました。
24時間換気扇が作動中に、各部屋にある給気口を閉じてしまったため室内が負圧になって、床下の空気が室内に入り込んで臭いの原因になっている様でした。(前回のインスペクションガイド参照)

この様に「臭い」は様々な住宅の欠陥や誤った使い方を私達に教えてくれます。
中古物件を下見に行く際には、目で見て触って確かめるだけでなく、「臭い」にも意識を向けて欲しいと思います。
そして購入を考えている物件で気になる臭いがしたら、専門家によるホームインスペクションを行っておくと安心です。
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中古住宅の下見では、イヌの様に臭覚を研ぎ澄ます。

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