昨日、トヨタホームがミサワホームを連結子会社化すると発表されました。
売上高で大きく劣るトヨタホームが、東証1部、名証1部上場のミサワホームを子会社化するというニュースは驚きでしたが、トヨタホームは元々ミサワホームの筆頭株主で、これまでも資材の共同調達や賃貸住宅の共同開発などを進めてきた経緯があります。
ミサワホームにとっても、トヨタ自動車を親会社に持つトヨタホームの子会社になるメリットは大きいのでしょう。
人口減少、新築着工件数減少の影響を受け、国内住宅市場の縮小、既存住宅リフォームなどのストックビジネス強化への対応を迫られている住宅業界の再編は、今後も一層拡大しそうです。
さて、中古マンションをリノベーションしてから売りに出す「リノベ物件」が人気を集めていますが、リノベーション済み物件には同時にリスクもあるという事は以前にもお伝えしました。
実際に物件の人気が高まる一方で、ずさんな工事によるトラブルも数多く発生している様です。
先日、私の知人の家でも、キッチンの排水管から水漏れがあったそうですが、再販業者が販売したリノベ物件でした。気付くのが早かったので大事には至らなかったそうですが、水漏れの原因は排水管の接続部分の接着剤の付け忘れだったそうです。最も初歩的なミスでした。
マンションリフォームには、戸建リフォームとは異なる難しさがあるのですが、構造的な知識をあまり必要としないため、戸建のリフォームと比べて参入しやすくなっています。建築の専門知識はなくても、マンションリフォームではデザイナー気取りの設計者もたくさん存在しています。
また、1,000万円近い工事でも、役所への届け出や検査もないので、ほぼ無法地帯に近い状態です。
中には、住宅設備機器の交換や内装工事程度しか行った事がない業者でも、スケルトンリフォームなどの大掛かりなリフォームを手掛けている事もあります。
当然、建築基準法や消防法などの法令さえ守られていない可能性があります。
マンションリフォームでは特に防火に関する違反や不具合が多い様です。
玉石混交のマンションリフォーム
マンションリフォームで怖いのは、施工業者が「間違った施工をしていても間違っていると思っていない」、「何をどこまで施工すればよいのかわからない」という状態になる事も珍しくないという点です。
まるで少年野球のチームからプロ野球のチームまでが、同じグラウンドの上で勝負している様な状態なのが、マンションリフォームの実態なのです。
今後、老朽化したマンションが増えていく中では、スラム化を防ぐ上でもマンションのリノベーション業者は重要な役割を担います。
今、確かなスキルを身に付けたリフォーム技術者の育成が必要とされていると思います。