家を購入する際にはつい建物にばかり目がいきがちになりますが、地盤データ(周辺地盤調査データ、土質・地形図など)などから敷地の地盤の強さを調べる事はとても重要です。
地盤が弱ければ、いくら丈夫な家を建てても地盤沈下が発生して家が傾いてしまいます。
また軟弱地盤のため地震などの要因によって家が傾くと、当然の事ながら住宅や土地の資産価値は大きく低下してしまいます。
東日本大震災の際に液状化の影響で多くの家が傾いてしまった千葉県の新浦安地域では、震災後資産価値が著しく下がってしまいました。
また傾いた家に住み続けた方の中には、めまいや自律神経失調症などの健康被害を発症した方がたくさんいました。
現在では家を建てる前には必ず地盤調査を行う様になっています。
しかし地盤調査を行う業者によって、地盤調査の方法や精度に差がある事はあまり知られていません。
また同じ敷地の中でも、調査を行う場所によって全く異なるデータがとれる事もあります。
一般的には個人が地盤調査会社を選ぶケースは少なく、住宅会社が地盤調査会社を選定して調査を依頼します。
地盤は目に見えるものではないので、住宅会社は地盤調査会社のデータや報告を信用するしかありません。
最終的には住宅会社が地盤調査データをもとに地盤改良が必要かどうかを判断します。
万一地盤調査データの改ざんなどがあったら大変です。
住宅会社が選定を誤ってしまうと後で大きな損害が発生してしまう可能性が高くなるので、地盤調査会社の選定を住宅会社に任せっきりにするのは避けた方が良いでしょう。
自らも地盤調査会社の情報を集めるべきです。
中古住宅購入の際にも敷地の地盤に注意が必要!
一方中古住宅の購入の場合は、不同沈下による傾きなどが現状では生じていない事を確認して判断するしかありません。
20年以上前に建築された木造住宅だと新築時に地盤調査が行われていない事も多いので、慎重に物件を選ぶ必要があります。
築年数が経過した現状でも建物に傾きや基礎に大きなひび割れ等がない事が安全のひとつの目安になります。
更に近隣の塀や道路などに傾きやひび割れがない事も確認しておきたいところです。
周辺の土地の地盤調査データなどが入手できれば参考になります。
自治体で所有している地盤情報のデータベースを調べる方法もありますが、これは参考にする程度です。
また地盤については、過去に液状化被害があった土地、埋立地、過去水田や湿地だった土地、斜面を造成した土地、近くに水路や川がある土地、崖の上の擁壁のある造成地などは要注意です。
地盤改良が行われていても、絶対安全とはいえません。
築年数が古い建物を購入して住もうとする場合には、事前に専門家によるホームインスペクションを行っておく事をお奨めします。
地盤調査データ