断熱工事の重要性

早朝に東京で「初雪」が観測されたそうです。11月に初雪が観測されるのは実に54年ぶりの事。
午前中は降り続く様なので、積もってしまうかもしれません。
千葉市内でもみぞれまじりの雪が降り出しました。今日は一日、交通の乱れや路面の凍結などに注意が必要そうです。

さて、「冬暖かくて夏は涼しい」事は、快適に暮らすために絶対に欠かせない住宅の性能です。
そして快適な住宅を建てるためには、普段は見えない場所にある断熱材が重要な役割を果たします。

建物の断熱とは室内側と室外側の熱移動を遮断して、外気温が室内に伝わりにくくする事です。
熱伝導率の低い断熱材で建物の周囲を隙間なく包んで、気密性を保つ事が断熱効果を高める基本になります。
また、建物内外の温度差から生じる結露の発生も防ぐ事ができます。

断熱性能は建物の価値を高めるためにも大切なのです。
しかしその重要性が建築主にも施工する側にも今一つ充分に認識されていない様に思います。

断熱工事は施工後には見えなくなってしまうため、材料や施工のコストを削られやすい工事です。
どんな断熱材を使用するのか建築主は住宅会社に任せっきりにする事が多く、現場で作業する職人も手抜きしやすい場所です。
しかし断熱が不十分な住宅は、冬は寒くて夏は暑いため冷暖房効率が下がるだけでなく、内部結露で建物が傷みやすくなるなどの弊害が起こります。
省エネ住宅と謳いつつも、実際には冬は寒くて夏は暑い住宅もたくさんあります。
住宅展示場などを見学しても、一年中空調をガンガンきかせているので、実態を体感する事はできません。
また仮に体感できたとしても、それと全く同じ性能のものが建つ保証はありません。
住宅会社にクレームをつけても、「木造住宅はこんなものです」などと言って、対応してもらえなかったという話も聞きます。

断熱性能の良し悪しで住まいの満足度は大きく変わる!

実際にホームインスペクションを行っていて、最も多い不具合は断熱工事の施工不良で、ほとんどの住宅で何らかの指摘事項がある程です。最初にしっかりとした施工を行っていても、後から電気の配線工事や給排水の配管工事、リフォーム工事などで断熱材を隙間だらけにしてしまうケースなども数多く見受けられます。断熱材に対する施工する人の意識が非常に低いのです。

また、断熱材の種類も数多くあって、一般の建築主にはそれらの違いもわからないので、設計者や住宅会社任せにしてしまう事が多いと思います。
しかし、住まいの満足度を決める上でも、断熱性能は大切な要素です。断熱材の僅かな違いでも、快適性の体感度は大きく違います。
住んでみてから不満を感じても、後から断熱材を入れ替える事はできません。
家を建てようと思ったら、後悔しないためにも断熱材について最低限の知識を身に付け、住宅会社に任せっきりにしないで、種類や厚さについての意見を言うべきです。そして施工状況をできる限り自分の目で確認し、隙間がある様ならすぐに直してもらいましょう。

満足度の高い家づくりのためには、断熱工事は必ずおさえておきたい重点チェックポイントのひとつです。

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