こんな方にも・・・・ホームインスペクションの活用方法

以前ご紹介したスムストック住宅。
積水ハウスなど大手住宅メーカー10社による優良住宅推進協議会(スムストック)は、同協議会が売買を仲介する中古住宅に瑕疵が見つかった時に修繕費用などを補償する専用の「瑕疵保険」を無料で提供すると発表しました。[2017/2/20 日本経済新聞]

一般に、中古住宅に瑕疵保険を付ける場合は有料で建物の状態を調べる住宅診断(インスペクション)が必須ですが、住宅保証機構と組む事で、インスペクションなしで保険を付与するとの事です。
これにより購入時の安心確認にかかる費用を抑え、中古住宅の流通を後押しするとしています。
大手住宅メーカーによる顧客の囲い込み戦略がいよいよ本格化してきました。

さて「中古住宅の購入で絶対に失敗したくない」、「住宅のリフォームで後悔したくない」・・・・。
この様な人達に役立つ情報を提供し、フォローする事を目的としてホームインスペクションの仕事を始めました。

住宅の購入やリフォームという人生の一大イベントは、常に欠陥住宅やトラブルといったリスクにさらされているにもかかわらず、一般の方には建築や不動産の事を学ぶ機会はほとんどありません。
そんな方たちのお手伝いができればというのがきっかけでした。
しかし嬉しい事に、最近ではそれ以外の目的のためにホームインスペクションを依頼する方が増えてきました。

(ケース1)今まで住んでいた住宅を賃貸するにあたり、入居募集する前に行うホームインスペクション

今まで住んでいた住宅を何かの都合で第三者に貸す事になったケースです。賃貸後に住宅に不具合が発生すると、借主とトラブルになって、予想外の出費が発生する可能性があります。もちろんこの様なトラブルを避けるために、仲介不動産会社や管理会社などが事前に建物を調査すると思いますが、その内容はあくまで「賃貸するのに支障がないかどうか」の範囲でしょう。
将来的に発生する可能性のある雨漏りや構造上の不具合などについての調査はあまり期待できないと思います。
事実、住宅の不具合をめぐって賃貸後に借主とトラブルになるケースは、過去に私もたくさん見てきました。
調査結果をもとに、事前に予防や対策を行っておく事で、後日大きな出費やトラブルとなるのを防ぐ事ができます。
また、賃貸する前に第三者の専門家による建物調査をきちんと行っておけば、入居者に対してのアピールポイントにもなり、安心感にも繋がるでしょう。
近年では「ウチコミ!」等を利用して自分で入居者を探すオーナーさんも増えている様なので、差別化にも繋がります。
これらの理由で、賃貸前に建物調査を依頼する方がいます。

(ケース2)建築した住宅会社が倒産してしまったため、定期点検代わりに行うホームインスペクション

現在はほとんどの住宅会社が、住宅の長寿命化や資産価値の維持を目的として、お引き渡し後に無償で定期点検を行い、アフターサービスや有償メンテナンス工事の提案を行う様になりました。
しかし不幸にも新築工事を行った住宅会社や分譲業者が倒産してしまい、定期点検が受けられなくなってしまった方もいます。
その様な方からの依頼で、住宅の点検を行うケースがあります。

また工事中に住宅会社と何らかのトラブルがあり、住宅会社を信頼する事ができなくなって、定期点検前(特に保証が切れる2年後、10年後など)に建物調査を依頼される事もありました。

住宅を良いコンディションのまま長く使い続けるためには、自動車と同様に定期点検とメンテナンスは絶対に欠かせません。
信頼できる業者から点検を受けられなくなった場合には、とても有効な手段になると思います。

この様に最近は、様々な目的でホームインスペクションの依頼があります。
ホームインスペクションは何も中古住宅の購入を検討している人だけのものではありません。
調査メニューも目的に応じてアレンジする事もできるので、住宅を第三者に見て欲しい場合は、どうぞお気軽にお問い合わせください。
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ホームインスペクション報告書

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