所有者自らが行う新耐震基準の木造住宅の耐震性能検証

先週「新耐震基準の木造住宅の耐震性能検証法」セミナーに参加してきました。

H28年の熊本地震では、S56年5月以前の旧耐震基準により建てられた木造住宅のみでなく、新耐震基準導入後のS56年6月からH12年5月までに建築された一部の住宅にも大きな被害があったため、H12年の耐震強化基準前の建物も耐震性能の見直しが必要とされる様になりました。
大きな被害を受けた原因として、柱と梁等の接合部分の接合方法が不十分であった(接合金物未使用)事が指摘されています。

(一財)日本建築防災協会では国土交通省からの依頼を受け、このような耐震基準強化前の木造軸組工法の住宅(平屋建または2階建)を対象として、耐震診断よりも効率的に耐震性能を検証する方法を作成し先月公表しました。

耐震診断と大きく異なるのは、所有者やリフォーム業者等による検証が必要になる事です。
はじめにチェックリストに基づく所有者等による検証を行い、必要に応じて耐震の専門家による検証を依頼する事になるのですが、専門家による現地調査は省略されるので、所有者からの情報が重要になります。

所有者は自ら柱とはりの接合部の金物使用の有無、壁の配置、外壁や屋根、基礎などの劣化状況などを調査しなければなりません。
対象となる時期に建築された住宅(築17年超)では、ホームインスペクションを行っても接合金物の未使用や築年数相応の劣化が進行している事が多いので、ほとんどのケースで専門家による検証が必要になる事が予想されます。

新耐震基準の耐震改修助成制度

一方、現在は旧耐震基準の住宅のみでなく、H12年5月31日以前に着工された新耐震基準の住宅の耐震診断、耐震改修工事にも助成制度を設けている自治体が増えている様です。
特に関東では、千葉県の多くの自治体が助成制度を設けています。

今後他の多くの自治体でも助成制度が設けられる事が予想されるので、該当する木造住宅にお住まいの方は、耐震性能の検証をしておくと良いでしょう。
ご自身で行うのは難しいと思う方は、リフォームする機会があればリフォームに併せてリフォーム会社に依頼する事をお奨めします。

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