中古住宅のホームインスペクションを行っていると、施工不良を見かける事は珍しくありません。
施工不良は新築時のものと思われるものもあるのですが、特にリフォーム工事に起因するものが多い様に思います。
リフォーム業者の中には建設業の許可を取得していない業者も多く、これらの無許可業者には建築の専門知識のある有資格者(建築士、施工管理技士等)が在籍していない事がほとんどです。
建設業の許可のある業者には、請負金額の大小に関わらず現場には一定の資格を持った主任技術者を配置する様、建設業法で定められていますが、無許可の業者にはこの様な定めはありません。
よって現在の法律では、500万円未満の工事を建設業の許可のない業者に発注する際には、誰でも現場を管理する事ができます。
当然品質検査などは期待できません。
施工不良や工事に問題があっても何の不思議でもないのです。
リフォーム工事では品質検査を行わない事も!
現在自動車の無資格者による検査問題が世間を騒がせていますが、建築業界の実態はもっとひどい様に思われます。
建築業界ではこの様な問題があっても大きく取り上げられる事はありません。
ちょっとしたリフォーム工事でも自動車1台分くらいの金額になるのにおかしな事です。
建築業界には自動車などと違い中小企業が多いため、厳しく規制を行うと営業できなくなるので見逃される事が多い様です。
建設業の許可を取得するためのハードルが高いのも一因かもしれません。
しかし被害を受けるのは常に消費者(建築主)です。
今後消費者保護のため、リフォーム業界のイメージアップのためにも、500万円未満の工事を行うリフォーム業者にも何らかの規制を行っていく必要があると思います。
キッチンのリフォームで配管をやり直す際に、床の断熱材を撤去してそのままにしてしまった例
古い排水管も切りっ放しで中途半端な状態。新しい配管の固定もない。
室内は最新のシステムキッチンの設置と内装工事を行い非常に綺麗な仕上がりでも見えないところはいい加減な施工。
リフォーム工事ではこの様な事例は決して珍しくありません。