インスペクションの重要性を理解していただいた方は、次のステップとして信頼のおけるインスペクターをお探しになる事と思います。
では信頼のおけるホームインスペクター(ホームインスペクション会社)とはどういった人たちなのでしょうか?
インターネットで「ホームインスペクション会社の選び方」を調べてみると大体次のような項目が並んでいます。
良いインスペクター(住宅診断士)を選ぶ基準
- インスペクションの経験が豊富な事
- 1 級建築士
- 不動産仲介業者や工務店・リフォーム会社でない第3 者の立場でインスペクションを行う事
- コミュニケーション能力がある事
- 依頼者に対してわかりやすく説明ができる事 等々です。
あくまでも私の考えですが、3~5 は必須条件だと思うのですが、1と2は大きな決め手にはならないと思っています。
インスペクターには必ずしも豊富な経験は必要ではないその理由は、「ホームインスペクション」は目視で住宅のコンディションを把握して報告するのが主な業務です。これは病院に例えるなら健康診断のレベルです。「調査に特別の技術や知識は必要ありません」といってしまうとやや語弊があるのですが、長年建築の実務に携わってきた人間なら、3 か月もすれば通常の調査・診断は十分可能になるのではないでしょうか。
私は建設会社に33 年間勤務し、13 年間の現場管理経験と20 年間の住宅リフォーム経験を活かすべく住宅インスペクション専門会社を立ち上げました。
リフォームに携わっていた際、年に数回建物診断的な依頼を受ける事はありましたが、インスペクション専門職としての経験はほとんどありません。
しかしお客様に満足していただくリフォームを実現するために、年間200 件近くの現場調査を行い、住まいの問題点を洗い出し、その問題を解決するためにお客様と向き合ってきました。それが何よりの強みだと思っています。
ホームインスペクションは単に住まいの不具合や欠陥を調査するだけが仕事ではありません。万一不具合が見つかった場合にそれをどの様に修繕するのがベストなのか、建物を長くベストな状態で維持するためにはどうすれば良いのかを具体的にアドバイスする事が本来必要な事だと思っています。
いくら診断だけできても治療ができなければ駄目なのです。重要なのはインスペクションの経験が何件あるかではなく、何件住宅の問題点を解消した経験があるかだと思うのですがいかがでしょうか。
また、診断対象となる住宅が現状で各種建築関連法規に適合しているかどうかや、設計図書通りに住宅が完成しているかなどについてもホームインスペクションの調査項目でないため、必ずしも1級建築士である必要もないと思います。
あくまでも一般論になるのですが、リフォームを行っていた当時、1 級建築士の先生と一緒にお仕事をさせていただく機会もあったのですが、不具合や不良個所の指摘はしても、現場での施工方法を熟知していないため、適切で現実的な修繕方法の説明ができない事が多かった様に思います。もちろん全ての方がそうだとは思いませんが、少なくとも信頼のおけるインスペクターの必須条件ではないとした理由のひとつです。
また、設計事務所の建築士で、設計作業の片手間にホームインスペクションを行っている場合も要注意です。
いずれにしてもホームインスペクションを依頼する場合には、不動産仲介業者やリフォーム業者からの紹介に頼るのではなく、ご自身の目で直接確かめて依頼する事が必要です。
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