インターネット販売の激安エクステリア業者による不良施工

コロナウイルス感染拡大の影響で、建築設計事務所やリフォーム会社へのオフィスの縮小やレイアウト変更の相談が増えているそうです。
また在宅勤務によるテレワークの導入は、大手ハウスメーカーのプランや提案にも影響を与えています。
在宅勤務用の空間を備えたプランや、独自の防音仕様で遮音性に配慮したワークスペース、ガレージや屋外にワークスペースを設けるプランなどの需要が増えている様です。
「在宅」が今後の住宅会社のビジネスチャンスになる可能性が高いことは以前にも指摘しましたが、ますます現実味を帯びてきました。

さて、近年はネット通販大手のアマゾンジャパンや、ゲーム事業を主力とするグリーの子会社セカイエが運営する「リノコ」など、リフォームのネット通販ビジネスが盛んになっています。
豊富な種類の住宅設備機器や建材など、単にモノだけを販売するのではなく、商品と施工をパッケージ化して工事費込みの価格を表記しているので、ユーザーにとってわかりやすくて安心なのが人気の秘訣です。
いずれも施工はダイワハウス工業や積水ハウスなどの大手ハウスメーカーや、提携している数百社もの施工業者が行い、全国での対応が可能になっています。
しかし実際にリフォームを行った方の声では良い口コミばかりではなく、悪い口コミも少なくない様なので、発注するにあたっては、十分に注意することが大切です。

強風や大雪によるカーポートの柱の傾きは施工業者に手直しを請求することができる!

そしてインターネットでエクステリア建材を工事費込みの激安価格で販売する業者の台頭も目立ちます。
これらの業者はエクステリアリフォームに特化して、カーポートや門扉、フェンス、サンルーム、ウッドデッキなどのエクステリア商品と施工をパッケージ化し、激安価格で販売しています。

先日この様なネットショップが施工したカーポートの柱が強風で傾いたとのことで調査を依頼されました。
本来、カーポートの柱の基礎は、商品ごとに製造メーカーによって基礎の寸法(幅×奥行×高さ)が定められていて、概ね幅40~50cm、奥行き80~90cm、高さ50~60cm程度に指定されていることがほとんどです。
この寸法は柱の大きさや強度、地耐力などを元に強風による柱の引き抜きや積雪荷重に耐えられる様に計算されたものです。
ところがこの現場では柱の基礎の寸法が幅30cm、奥行き30cm程度しかなく、基礎がひび割れして柱がグラグラになっていました。
あきらかに基礎寸法が小さいために、強風に耐えられなかったものと思われました。
この様に、各販売店や施工会社が独自に決めた寸法でカーポート柱の基礎を施工してしまうことは決して珍しくはなく、驚くべきことにインターネット上で堂々とメーカー指定の基礎寸法では施工しないことを表記している業者もあります。
理由は価格面で、メーカー指定の寸法で施工すると施工費が何倍にもなってしまうためです。
激安価格の背景にはこうした事情(手抜き工事)があります。

この様な業者は、過去の施工実績から事故や天災以外の理由で柱が傾いたことがないことを主張していますが、根拠となる客観的なデータなどがあるわけではありません。
また近年では、記録的な強風や大雪などはもはや想定外の出来事とはいえないので、メーカー指定の基礎寸法を確保することは最低限必要な要件です。
万一強風や大雪が原因でカーポートの柱が傾いてしまって施工業者に無償修理を依頼しても、保証対象外と言われてしまいかねません。
もしこの様な方がいらっしゃいましたら、施工不良を指摘して手直し工事を行ってもらえる可能性があります。
お気軽にお問合せください。

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カーポートが強風を受けて基礎がひび割れしてしまい、柱が傾いてしまっった事例。
柱のサイズと比較して基礎の寸法が明らかに小さく、強度が不足している。

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