住友林業が高さ350mの木造超高層ビルの構想「W350」を発表しました。
外周部を木材の柱と梁に鋼管ブレースを組み合わせたハイブリット構造とし、内部は純木造とする計画です。
戸建て住宅の市場縮小をにらみ、超高層ビルに活路を見出そうとしている様です。
耐火の問題やコストの問題など、まだまだ実現するための課題は多そうですが、今後の行方に注目です。
さて、わが国の建設業法では、500万円未満の建築一式工事(おもに新築工事)以外の工事は、「軽微な工事」という扱いから、建設業の許可が不要となっていることは既に何度もお伝えしてきました。
このため、建設業の許可を受けずに営業している業者も多数存在しています。
このこと自体は違法行為ではありません。
一方、建設業の許可を受けている業者に依頼すれば安心という訳でもありません。
建設業法は、工事種類ごとに業種別の許可制度となっています。
建設工事には非常に幅広い分野があるので、たとえば鉄筋工事の許可があっても、大工工事を行うのに相応しいとはいえません。
工事を発注する際には、発注する工事内容がどの工事種類に該当し、発注先の業者がその許可を有しているかどうかを確認する必要があります。
この様に、建設業の許可が、建設工事の種類ごとに細かく分けられていることはあまり知られていないようなので、ご紹介したいと思います。
契約前には発注先の建設業許可の種類の確認を!
建設工事は、土木一式工事、建築一式工事の一式工事から、大工工事、左官工事、屋根工事、鉄筋工事、鋼構造物工事、塗装工事、防水工事、内装仕上工事などの専門工事まで、2種類の一式工事と27種類の専門工事に種類分けされています。
一式工事とは、「総合的な企画、指導、調整のもとに土木工作物又は建築物を建設する工事」が該当するとされています。
主に元請となる事業者向けの許可区分ですが、一方では一式工事業のみの許可では、専門工事を請け負ったり、原則として下請工事を請け負うこともできません。(違法である一括下請行為に該当します)
工事を発注する際には、建設業許可の有無を確認するのは当然の事として、発注先の業者が持っている許可の種類を確認する事が重要です。
たとえば、塗装工事や内装仕上げ工事などの単一工事の許可しか持っていない業者に、増改築や大規模なリノベーション工事を依頼すると、トラブルや欠陥工事の元になる可能性大です。
業種の不適切な許可業者への発注は、無許可営業などに該当する違法行為となってしまうのみならず、施工にあたっても、不相応な技術者の配置や品質不良、発注者への背信などにつながる恐れがあります。
建築は、単にデザインや使い勝手のみで価値が決まるものではありません。
建築工事には常に新工法や新技術が開発されているので、それらに対応した品質管理が必要です。
建築工事の契約にあたっては、依頼先の許可取得の有無は最低限の確認事項です。
業者選択は自己責任となるので、くれぐれも注意してください。