先日のNHKニュース番組で、昨年の西日本豪雨で浸水被害にあった住宅の復旧工事が半年たった現在でも、思うように進んでいないとの報道がありました。
原因は人手不足で、地元の建設会社のほとんどが「被災者からの注文は受けられない」状況になっているそうです。
大規模な浸水被害を受けた岡山県倉敷市真備町では、およそ5400棟の住宅が水につかり、被害を受けた住宅が多い事に加えて、全国の他の地域の災害復旧工事や東京オリンピックに向けた建設工事の影響もあるとみられています。
そのため、県内外の業者に応援を求めても、人手不足はどこも同じで、応援の大工は確保できないとの事です。
復旧工事の進捗は町の存続にも大きな影響を与えるため、事態は深刻です。
業者が見つからず、自宅の修復にめどが立たないようなら、ふるさとに戻るのをあきらめる人も出てきて、人口減少にますます拍車がかかってしまいます。
職人不足は千葉県内のリフォーム工事の品質にも影響が・・・。
実はこうした職人不足は、何も地方だけに限らないことを昨年実感しました。
弊社にはリフォーム工事の不具合調査の依頼がたびたびあるのですが、千葉県内でも房総半島の南部ではリフォームする際に業者を探すのが一苦労だそうです。
その結果、とてもプロの職人やリフォーム会社の仕事とは思えないリフォーム工事もめずらしくありません。
手直し工事を行えば済む問題ではなく、最初から工事をやり直す必要がある場面に何度も遭遇しました。
私は常々業者選定は自己責任だと言っているのですが、こうした地域では必ずしもそうとばかりは言えない事情がありそうです。
地方では、自宅をリフォームするのも難しいことを知らされました。
もはや職人不足は地方だけの問題ではありません。
職人の育成に対する早急な対策が求められると共に、今年1年大きな災害が起こらないことを願いたいと思います。
大工道具の中には、現在の建築現場では見られなくなったものも数多い