賃貸住宅の大規模修繕

昨日から千葉市の幕張メッセでは毎年恒例の東京オートサロンが開催されています。
今日から一般公開日となるので、会場周辺道路では例年の様に大渋滞が予想されます。
付近を通過する方は、時間に余裕を持って出かけましょう。
私も明日会場へ足を運ぶ予定で、すでにチケットも入手済みです。今から楽しみです。

さて、賃貸住宅のオーナーの方は、管理会社に大規模修繕を依頼するケースが多いと思います。
しかし、管理会社に奨められるままに全てを任せっきりにしていないでしょうか?

大規模修繕工事とは主に外壁や屋根の塗り替え、外壁やサッシ廻りの目地シーリングの打ち替えや屋上・バルコニーの防水工事、給湯器などの設備の交換などですが、比較的小規模の建物でも500万円以上のまとまった費用がかかる事も珍しくありません。
中規模程度の建物なら、軽く1,000万円は超えてしまうでしょう。
管理会社の中には、大規模修繕工事を行う事で大きな利益を得ている会社もたくさんあります。
反面で、管理会社から言われるままに工事を行った結果、収益が上がらなくなった経験のあるオーナー様も多いのではないでしょうか。

大規模修繕を行う事で、入居率のアップや建物の資産価値向上につながるのは間違いないのですが、だからといって収益物件では管理会社から提案されるままに工事を発注する事はあまりお奨めできません。
特に工事を行う前の詳細な調査も行わずに、10年ごととか12年ごとなど定期的に工事を行っている場合は、見直しが必要です。

収益物件の改修時期や改修内容は本当に適切か?

10年や12年などは一つの目安にはなりますが、建物のコンディションは立地条件や施工品質、どんな材料が使用されているのかなどによって、建物ごとに異なるものです。
極端なケースでは、同じ時期に同じ工法、同じ材料で建てた建物でも、施工品質によって劣化度合いが異なります。
10年ごとに大規模修繕を行っていたら、30年間で3回も行う事になるので、大きな出費です。
修繕時期についてはしっかりとした調査を行った上で、慎重に判断する必要があります。

また施工計画を立てるにしても、使用する材料や工法によっては、メンテナンスサイクルが変わってくるので、例えコストを多くかけても次回の修繕時期を大幅に遅らせる事ができて、結果的に費用対効果が高くなる場合もあります。

一例を上げると、屋根の修繕にも外壁の修繕にも足場は必要になるので、例え外壁に耐久性の高い高価な塗料を使用しても、屋根が劣化すれば屋根の改修工事だけのために足場を掛けなければならなくなってしまいます。この場合には、多少費用がかかっても、屋根にも耐久性の高い材料を使った方がコストダウンにつながる事もあります。
しかし管理会社は、何度も工事を行った方が得をする(儲かる)のです。

また、予算に制約がある場合などは、足場の設置が必要な工事のみ集約して行い、それ以外の工事は建物調査の結果、早急に行う必要がなければ、補修が必要になるまで先送りするなどの選択肢もあります。

他にも、建物診断の結果、外壁や屋根の修繕よりも構造躯体の修繕の方が優先順位が高い場合もあるかもしれません。

しっかりとした建物診断をもとに上記の事を考慮して、改修時期や工法、補修すべき工事の範囲、使用する材料などを提案できる業者なら良いのですが、そうでない場合は要注意です。
そして管理会社が工事も受注しているケースでは、そうでない事が多い様に思います。
会社のマニュアルに沿った調査しか行わず、お決まりの改修計画を提案するだけの管理会社もいます。
かつては10年~12年を目安に行っていた大規模修繕ですが、これからは大規模修繕周期の目安を15年前後として、改修の仕様や工法を選定したいものです。

毎回決まった管理会社に工事を発注している場合は、一度他の会社からも見積もりをとるか、第三者の専門家に見積書や提案内容をチェックしてもらう事をお奨めします。

弊社でも、収益物件のオーナー様からのご相談や見積書のチェックなどもお受けしていますので、お気軽にお問い合わせください。

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