危険な木造住宅の間取り

本日無事平成28年分の確定申告が終了しました。
毎日の帳簿付を怠らなければ、会計ソフトを使って簡単に申告書が作成できる事を去年の経験で学びました。
何事も経験する事が大切です。

さて、木造住宅は建物が軽く、比較的小規模な建物が多いので、構造的には軽く考えられがちです。
そして木造住宅は、年間でおよそ50万棟が建築されています。
しかし、地震などの天災で大きな被害を受けるのは、ほとんどの場合がこの様な木造の建物です。

中古住宅を購入する際に、「建築確認申請を取得しているから構造的に問題はない。」と思う方は多いと思います。
不動産会社の中にも、そのような説明を行う営業担当者もいます。

しかし、2階建までの小規模木造住宅(ほとんどの木造住宅がこれに含まれます)で建築士が設計したものは、構造審査が省略されています。
建築士が構造的な検討を行わなかったり、構造チェックが間違っていても何の指摘も受けずに、建築確認申請は下りてしまいます。
よって、確認申請が下りていても、構造が建築基準法に適合しているとは限りません。
震災で木造住宅が大きな被害を受けるのは、この様な事情があるためです。
特に中古住宅の中には、見るからに構造的に問題がありそうな間取りも存在しているので、注意が必要です。
また、熊本地震以降に注目された壁の直下率(上下階の配置バランス)の問題は、建築基準法の規定がなくても十分に検討しなければいけません。

間取りに大きな問題がありそうな場合には、国土交通省住宅局が監修している「誰でもできるわが家の耐震診断」というツールを使えば、一般の方でも自分である程度まではチェックする事ができます。
日本建築防災協会のホームページからリーフレットを印刷して使用するか、インターネットで診断を行う事もできるので、不安がある様なら一度試してみると良いでしょう。十分参考になると思います。

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また、2×4住宅の場合には、更に注意が必要です。
2×4住宅のプランニングにあたっては、耐力壁線相互の距離や耐力壁線区画、長短辺比、開口部の大きさ、開口率などの細かい基準がたくさんあります。2×4工法に慣れていない設計士が設計した場合、基準を満たしていないプランになるケースがあります。2×4住宅の設計は、2×4工法に手慣れた設計士に依頼する事が必要です。

住宅の設計では、建築主が自ら間取りを考え、建築確認申請を住宅会社の建築士に依頼するケースもありますが、この様なケースでは構造上の問題が発生しやすくなるので、構造チェックを慎重に行ってもらう必要があります。
リフォーム会社に間取り変更を依頼する場合にも注意が必要です。リフォーム会社の中には構造上のチェックを行わない会社もあるので、リフォーム済の中古住宅を購入する場合は十分に注意しましょう。

kumamoto52[1]

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