マンション管理士とは?

皆さんはマンション管理士という資格をご存知でしょうか?
マンション管理士は、平成13年8月1日より施行された「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」に基づき定められた国家資格で、国土交通大臣の登録を受けて、業務として、管理組合の運営やマンションの管理に関する相談に応じるほか、助言・指導・その他の支援を行う者をいいます。

ほとんどのマンションでは、管理会社が住民で構成する管理組合に代わって管理を代行していますが、様々な課題に直面した管理組合が対応上の判断をしなければならない場合に、管理会社とは違った客観的な立場から専門的なアドバイスやコンサルティングを行います。
また、管理会社が、管理組合との契約に基づいて適切に業務を行っているのか、管理組合の相談先としての役割も持っています。
管理組合と管理会社の間に立って、第三者の立場で管理組合の運営を援助する役割を果たす専門家です。

具体的には、管理委託契約や管理規約の見直し、大規模修繕計画の立案・業者選定アドバイス、理事会や総会に出席し管理組合の運営をサポート、日常相談などを行っているマンション管理士が多い様です。

古いマンションの管理規約には、間違っているものもある!

この資格、合格率は7~9%台という意外と難関資格なのですが、マンション業界の人以外からはほとんど知られていません。
苦労してこの資格を取得しても、全く業務に活かす事ができていないマンション管理士は数多いと思います。
私も以前の会社で、マンションリフォームを積極的に手掛けていた10年以上前にこの資格を取得しました。

マンションの管理規約では、専有部分のリフォームについても定めがあるのですが、その内容には間違いや不適切なものもあり、不適切なまま運用されている事も少なくありません。
その代表的なものは、床をフローリングに変更する際には、全てマンション用の直貼り遮音フローリングで貼り換えを行う様に規約で定めたもの。マンションの床に遮音性能を求める事は、誤っていないのですが、フローリングの材料を指定すれば遮音性能が得られる様になるわけではありません。
直貼り遮音フローリングは、下地がコンクリートの場合に使用するもので、二重床になっている部分に使用してもカタログ上の遮音性能は発揮できません。
また、「ブロック積みの壁は撤去できない」などという規約による定めのあるマンションもありました。
その他マンションでは、共用部と専有部の配管の扱いに問題があるケースが多い様に思います。
いくら間違いを指摘しても、リフォーム会社からの指摘は全て「営利目的だろう」と思われてしまうので、中立的な立場からの意見として聞いてもらうのが資格取得の目的でしたが、当時はマンションの管理組合にも、この資格の存在はほとんど知られていませんでした。

間違った規約で不利益を受けるのは、他でもないマンションの住民です。
しかし、例え現在の規約に疑問を感じても、マンション内に専門家がいないと、判断できる人がいないのです。
特に、築年数の古いマンションの管理規約は、一度専門家に見直してもらった方が良いかもしれません。

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