マンションの長期修繕計画の落とし穴

連日のように続くゲリラ豪雨。ここ千葉市内でも昨日は、激しい雷雨に見舞われました。少し前まで晴れていたのに、突然雨雲が発生して稲妻が光る様子は、事務所の窓から見ていると映画の中の様な風景でした。
今日も関東甲信地方では、大気が非常に不安定な状態が続く様なので、注意してください。

さて、前回、戸建住宅の修繕費についての話をしましたが、マンションの修繕積立金についても様々な問題があります。
私が住んでいるマンションも、竣工後10年を迎え、来年には大規模修繕工事が予定されているのですが、修繕積立金が不足しそうなため、今からその対策がいろいろと話し合われています。

新築マンションの修繕積立金の額は、分譲時に分譲会社が設定する事が一般的ですが、そのほとんどが緩めの長期修繕計画に基づいて設定されています。また、ターゲットとする購入者層に合わせて、修繕積立金の額を設定しているものもあると思われ、分譲当初の月額が著しく低いものも見受けられます。
いずれにしても、分譲会社が設定した修繕積立金の額では、実際に大規模修繕を行う際に、不足しがちな傾向です。

修繕積立金が不足すると、駐車場使用料など修繕積立金に充当できるものを値上げしたり、各戸から一時徴収金を集めたり、金融機関からの借入金に頼らざるを得ません。借入金は当然返済しなければならないので、以降の修繕積立金の増額は必須です。
これらを決定するためには、組合員の合意形成が必要なのですが、マンションには様々な人が生活していて、普通は簡単にはいかないでしょう。
生活に余裕のある世帯は増額に賛成しても、毎月の生活費のやりくりで逼迫している世帯では、簡単に賛成する事はできません。。

マンションの大規模修繕工事を成功させるためには?

このような事態にならないためには、分譲会社が作成した長期修繕計画を鵜呑みにせずに、しっかりとした修繕計画を立て直し、早い段階で修繕積立金を見直す事が必要です。
修繕積立金の額の目安は、国土交通省でガイドラインを作成していて、試算できる様になっているので、参考にすると良いでしょう。
マンション管理士等の専門家に相談する方法もあります。

また、これからマンションを購入しようとする方は、身分相応な物件を選ぶ事が大切です。
タワーマンションなどの平均価格帯の高い物件の安い住戸を購入すると、後々修繕積立金や管理費の値上げで、予想外の経済的負担がかかる可能性があります。
また逆に、平均価格帯の低い物件の高額な住戸を購入すれば、満足のいく管理や修繕が行えず、資産価値が維持できない事にもなりかねません。
そして、中古マンションを購入する場合には、毎月の修繕積立金や管理費の額以外に、修繕積立金の残金や、マンション全体の延滞金の額も重要な購入の判断材料になります。あまりにも安いものは、後々大きな負担がかかる事が予想されます。
この様に、マンションにはマンション特有の様々な問題があるので、注意してください。

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