リフォームのクレームで最も多いのは、「要望通りでない」、「打ち合わせと違う」、「こんなふうになるとは思わなかった」などです。
この様な事が起きるのは、リフォーム会社が見積書を作成する段階で既に問題が発生していた事が少なくありません。
リフォーム会社がお客様から見積依頼を受けると、まず要望のヒアリングや現況の採寸、確認などの現場調査を行うと思います。
ここまでの作業はどんなリフォーム会社でも行うものです。
しかしここから先の進め方は、リフォーム会社によって大きく異なる事が多い様です。
まずリフォームの図面を作成します。リフォームを行う住宅は現況の図面がない事もあるので、その場合は現況の図面も作成します。
手間がかかるので図面作成を省略する会社もありますが、正確な見積を作成するためには必要な作業です。
そして作成した図面をもとに、必要な工事や材料の数量を拾い出します。
その際に特殊な工事や資材、設備工事などはメーカーや専門工事会社に見積依頼する事もあります。
リフォーム会社によっては、図面から簡単に見積書が作成できる見積ソフトなどを使用している会社もありますが、精度があまり高くないので、部屋ごとや工種ごとに手計算で拾い出しを行っている会社がまだ多い様に思います。
そしてほとんどのリフォーム会社には工事の手間賃や材料費をあらかじめ定めた単価表があり、拾い出した数量に単価を掛けて見積書を作成するのが一般的です。
こうした一連の作業を担当者自らが行えば、注文者の要望が漏れてしまったり、見積書に間違いが発生する可能性は低くなるのですが、リフォーム会社の中には見積を下請け業者や協力業者に丸投げしてしまうケースもあります。
この様なケースでは伝言ゲームの様になってしまい、要望が見積書にきちんと反映されなくなってしまいがちなのです。
見積作成に時間がかかる業者の場合は、自社で見積もりしていない可能性があるので要注意です。
見積書に要望がきちんと反映されない原因とリフォーム会社の本音
「リフォーム会社の担当者に要望をきちんと伝え、相手も理解していたはずなのに、工事が出来上がってみたら要望と違う事だらけ。」などという笑えない話は、見積作成時にすでに問題が発生していたケースが多いものです。
それでも下請け業者や協力業者が作成した見積書を担当者がきちんとチェックしていれば間違いを防止できるのですが、下請け業者の見積に、自社の利益を上乗せして提出するだけのリフォーム会社も存在します。
またリフォームの見積書には法的に統一された書式があるわけではなく、工種別や部屋別など見積書の表現方法も会社によって様々なので尚更わかりにくくなっています。
しかし、自社で全ての項目をひとつづつ細かく拾い出しを行って見積書を作成するとなると、非常に手間がかかります。
何時間もかけて図面や見積書を作成して提出しても、必ずしも受注できるとは限りません。
ましてや6社も7社も相見積もりを取得していると知ったら、リフォーム会社の担当者ができるだけ手間を省きたくなっても不思議ではありません。
中には「最初は内容に漏れがあっても、なるべく安くなる様にざっくりと大まかな金額を提示しておいて、契約できたら後で追加工事を請求して帳尻を合わせよう。」と考える業者もいます。
一方、初めから詳細な見積書は作成せずに概算金額を伝えておいて、依頼を受ければ詳細見積書を提出するという業者もいます。
どちらの業者が信用できるかといえば、間違いなく後者でしょう。
概算金額を出すのにも、ある程度の実績やデータがなければ簡単には提示できないからです。
この様に、見積書の作成の仕方もリフォーム会社によって様々です。
しかし、見積書の作成の仕方によって会社の考え方や実力を知る事もできます。
リフォームの実務経験があれば、リフォーム会社の見積書を一目見るだけで会社の実力がある程度わかるものですが、一般の方にはなかなか難しいでしょう。
「リフォーム会社に不安がある」、「見積書に漏れがないかどうか心配」、「この会社と契約して大丈夫?」などでお困りの際には、一度専門家の意見を聞いてみると良いと思います。きっと満足できるリフォームを後押ししてくれるはずです。
弊社ではこの度「見積依頼」から「業者選び」まで住宅リフォームを上手に進めるコツをまとめた小冊子を製作しました。
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