空き家投資の注意点

先週私宛に届いたメールの中に、非常に気になるものがありました。
それは、足立区の中でも都心へのアクセスが便利な場所に、わずか200万円弱で一戸建てを購入し、予算100万円台でリフォームして賃貸収入を得ているという話。価格が格安なのは、土地が再建築不可で借地権、建物が築55年という理由があるそうです。インターネットの不動産情報サイトで発見して、すぐに不動産会社に電話をし、購入したとの事です。

最近問題となっている空き家を安く購入して、DIYリフォームをした後、賃貸して収入を得る方法を紹介したハウツー本は、書店でたくさん売られています。
足立区のこの物件も、電気容量アップや窓の増設、外壁塗装、給湯器交換などを80万円程で専門業者に依頼した他は、全てDIYで行ったそうです。
こうしたリフォームを行う際には、デザインの監修をプロに依頼する事もある様ですが、建築の専門知識を持たないただのデザイナーでは、建物の安全上のアドバイスなどは望めません。築年数の経過した古い物件では、構造強度上非常に不安です。
また、見た目重視で内装材に木材や合板などを使用した場合には、建築基準法の内装制限や消防法に抵触する可能性もあって、余計心配になります。

DIYリフォーム賃貸住宅のリスク

このような安全上問題のある建物が、万一地震で倒壊してしまったり、火災で入居者が死亡してしまった場合には、建物所有者に対して遺族に対する損害賠償責任を命じた事例がたくさんあります。建物としての基本的な安全性を損なう瑕疵があるものを、他人に貸して収入を得る事が社会的に認められるはずがありません。
書店で売られているこの手のハウツー本には、この様なリスクはほとんど書かれていないので、これを真似て見た目だけを良くした危険な賃貸住宅が増えない様にしなければいけません。

空き家を有効活用して中古住宅の資産価値を高めたり、リフォームの魅力が広く伝わる事は非常に良い事だと思いますが、建物で何よりも重要なのは住む人の安全だと言う事を決して忘れてはいけないでしょう。

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