建物の用途や構造によって必要なスキルが異なる!

千葉県のホームインスペクション専門会社匠住宅診断サービスです。

私がホームインスペクションの仕事を始める前は、建築現場の施工管理や住宅リフォームの仕事を30年以上行っていました。
施工管理を行う人のことを一般的には現場監督といいますが、一戸建住宅、アパートなどの木造住宅とマンション、テナントビルなどの鉄筋コンクリート造または鉄骨造の建物とでは、同じ現場監督でも仕事の内容が大きく異なっていました。
幸いにも私は以前の勤務先でその両方を経験させていただいたので、今回は両者の違いについてご紹介させていただきます。

まず現場の規模が異なります。
規模が大きくなるほど請負金額が大きくなり、建物の面積も大きくなるので、現場所長一人だけでは管理が行き届かなくなってしまいます。
住宅の現場では、一日に作業する職人の数は多い時でも10人程度ですが、マンションやテナントビルの工事では毎日何十人もの職人が作業する様になります。
そして住宅の現場では現場監督が不在であっても、図面さえあれば職人同士で話し合って工事が進んでいくのに対し、大型の建築現場では、作業中の危険防止対策や各職長・職人への作業内容の確認・指示や工程の調整などを毎日行う必要があるため、現場監督が不在だと円滑に工事を進めることができません。
したがって大規模な建築現場には施工管理者(現場監督)が複数いて、それぞれの役割が決まっているのが一般的です。
役割が決まっているということは関わる部分が限定されているということなので、プロジェクト全体を管理する現場所長になるまでには、相応の実績を積む必要があります。

一方住宅の現場監督は、一人で複数の現場管理を担当します。
一般的には注文住宅の場合には同時に7~8棟担当することが多く、ローコスト住宅がメインのパワービルダーの場合には、10棟以上20棟位まで担当することが少なくないといいます。
建売住宅の様な量産品を作るために可能になることで、現場監督には浅くても幅広い知識が求められます。
また、複数の現場の安全管理、原価管理、工程管理、品質管理を同時に行う必要がある上に、顧客との距離が近いため、顧客への対応を迫られる場面も多くなります。
したがって、早期に現場に関する全ての部分を経験できるのがメリットですが、まだ実績がないうちに大きな責任を負うことになります。

どちらが優れているということではなく、同じ施工管理の仕事でも管理を行う建物の種類によって業務内容が大きく異なるという点を皆様に知っておいて欲しいと思います。

ホームインスペクターにもそれぞれの得意分野がある!

またこれと同様なことが設計者(建築士)にもいえます。
高層ビルやマンション、工場、商業施設などの大規模建築物の設計者と住宅の設計者とでは、求められるスキルや得られるスキルが大きく異なります。
したがって一級建築士で大きな建物の設計経験が豊富だからと言って、木造住宅に関する知識があり設計が得意とはいえません。
また同じ木造でも、在来工法と2×4工法とでは異なる点がたくさんあります。
設計や設計監理には、建物種別や構造によってそれを行うための経験やスキルが不可欠です。
皆様が住宅診断を依頼する際にはココが重要なポイントになります。

単に資格だけでなく、今までにどの様な建物の施工管理や設計監理を行ってきたのかが重要です。
木造住宅であれば木造の、マンションであれば鉄筋コンクリート造や鉄骨造の建物の施工管理や設計監理の実績を必ず確認する様にして欲しいと思います。

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