現場監督が現場管理を行う上で、近隣対策は決して疎かにできない大切な仕事です。
工事現場では、騒音や振動、工事車両の駐車、ゴミや埃の飛散など、十分注意していても近隣にご迷惑をお掛けするのは避けられません。工事を行えば、必ず何らかの形で近隣にご迷惑をお掛けするものです。
ただでさえ迷惑をかけているのに、現場管理の不手際でさらに大きな迷惑をかけてしまうと、その後の工程にも影響が生じてしまいます。
ご迷惑をお掛けするのは、何も作業中だけとは限りません。
足場に設置したシートが強風にあおられてバタバタと音をたてたり、足場で日照がさえぎられたりする事もあります。
建て替えなどで以前から近所づきあいがある場合は、「お互い様」だと多少の事なら許してもらえても、新たに土地を購入して新築する場合などはちょっとした事から大きなクレームになる場合があるので、十分な配慮を行う必要があります。
特に今まで空き地だった場所に新築する場合などは、隣地の所有者から歓迎される事はあまりないと思った方が良いでしょう。隣地境界線からの距離、窓の位置や高さ、換気扇や給湯器の排気方向、エアコン室外機の設置場所など隣地への配慮は設計時からも欠かせません。
近隣対策の優劣は業者を選定する上でも重要!
工事中の近隣からのクレームは、建築工事を請け負った住宅会社の責任で対応するのが普通なのですが、中には親身に対応してくれないケースや、過剰な要求の場合は無視してしまい、益々大きなトラブルに発展させてしまうケースなどもあります。
また、クレームを建て主が知らなかったために後々近隣関係がこじれてしまい、住みにくくなる事も良くあるので、住宅会社の近隣対策は品質管理能力と同じ位重要です。
私が勤務していた会社でも、施主に無用な心配をかけたくないからと近隣からのクレームを報告しなかったために、以降の近隣関係に支障をきたしてしまった例もありました。
近隣クレームの建て主への報告も時には必要な事です。
中古住宅を購入する場合にも、「隣近所にどの様な人が住んでいるのか」は決して無視する事ができない問題です。
隣人に困った人がいて、やむを得ず転居するために売りに出す事もあります。
中には売主自身が「迷惑な人」として近所から嫌われているなどと言う事もあるので、全てを把握するのは難しいと思いますが・・・。