長期優良住宅化リフォームの対象とならない住宅

以前、国の長期優良住宅化リフォーム事業についての話をしました。
補助対象となるには事前にインスペクションを行い、劣化対策と耐震性の面でA 基準に達している必要があるのは前回話した通りなのですが、内容を細かく見てみると実はこれには非常に高いハードルがある事がわかります。

参考:長期優良住宅化リフォーム推進事業通年申請タイプ

必須条件である劣化対策の中に基礎の高さ(地盤面から基礎上端までの高さ)が定められていて、40 ㎝以上となっているのです。
40 ㎝未満の場合には、基礎高さ30 ㎝以上を確保し、雨はね防止措置をとって定期点検を強化する事とあります。これは基礎周囲の土が降雨の際にはねて外壁を汚す事の美観上の問題と、湿気対策の面で建物の耐久性にも影響するとの考えだと思います。
また、基礎高さが30 ㎝未満だと床下に人が潜り込んで点検やメンテナンスを行うのも困難な事も理由として考えられます。
雨はね防止措置としては、建物の周囲にコンクリートを打つか砂利敷きにしてしまえば良いのでしょうが、基礎高さが不足している場合には有効な対策がありません。
1階の床高を調整すれば床下寸法は確保できても、基礎そのものの高さを指定されたら手の打ちようがありません。
(建物をジャッキアップして基礎を造りかえるのはコスト面からも現実的ではありません)

私は過去にも多くの住宅の基礎を見てきましたが、昭和50 年代前半位までの住宅の基礎の高さはほとんどが30 ㎝に満たないと思います。(写真の住宅も基礎の高さが不足しています)

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すなわち旧耐震基準で建築された多くの住宅は、耐震補強を行い全面的にリフォームしても長期優良住宅化リフォームの対象にはならず、補助金がもらえないのです。

あるデーターによると平成27 年時点では、1980 年以前に建築された住宅比率は28.3%と推測されるそうです。
決して少ない数字ではないのですから、ただ線引きを行うのみでなく何らかの対策を講じる事が中古住宅流通の活性化のみでなく、国が掲げるもう一つの施策である住宅リフォーム市場の活性化につながるのではないでしょうか。

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