自分好みの商品を支給してリフォームを成功させるためには?

近年は自分だけのオリジナリティーの高い住まいに改修したいためや、少しでも改修費用を安く抑えたい
との理由から、リフォームやリノベーションを行う際に自ら商品を直接購入して調達する「施主支給」を
希望する方が増えてきた様に思います。
私が勤務していた会社でもインターネットを活用したり、ホームセンターや家電量販店で購入するなどして、住宅設備機器や建具から照明器具、ドアノブ、アクセサリー器具などの小物商品に至るまで、自分好みの商品を調達して支給したいと考えるお客様が時々いました。
しかし、ほとんどの業者からは敬遠されてしまう事が多く、決して歓迎される事はないと思います。
これは何もリフォームやリノベーションに限った事ではなく、注文住宅で新築する場合でも同じです。

「施主支給」のリフォームを成功させるためには?

それではなぜ「施主支給」は敬遠されてしまうのでしょうか?
大きな理由は三つあります。
ひとつは以前にも書きましたがリフォームの見積には着工してみないとわからない点もあり、施工費にはリスクがつきものなのに対して、商品の販売は仕入れて現場に納めるだけで確実にマージンが取れるからです。施主支給となると商品からの利益が見込めなくなるばかりでなく、慣れない商品を取り付け設置する際には予想外の手間や施工ミスが発生する可能性もあります。また設置に必要となる付属品や接続部品がどこまで含まれているのかもわかりません。かつ商品の納期もバラバラとなると、現場が混乱し工期にも影響する恐れもあるからです。

ふたつめは万一商品に傷や汚れがあった場合に、それが商品の出荷前からあったものなのか、配送中についたものなのか、施工中についたものなのか等責任の所在がわからなくなってしまう可能性があります。
それを避けるために納品チェックを厳格にしようとするにも余分な手間がかかってしまいます。
どうしても施主支給にしたい場合は、納品チェックや納品時の検品作業を自分で行う事も必要です。

三つめは保証の問題です。例えば施主支給のシステムキッチンから水漏れがあった場合、それが接続部の施工に問題があったのか、商品の欠陥なのかの責任もあいまいになりがちです。

この様に商品を支給して自分好みの部材でリフォームを成功させたいのであれば、施工業者の事情も知った上で打ち合わせを進めたいものです。

リフォームに採用する商品をこだわりをもって自分で自由に選び、どこにもない自分だけのオリジナル空間をつくるのは確かに魅力的で、工事終了後の満足度も一層高くなる事でしょう。
決して否定できるものではありません。それぞれが相手の事情も十分理解して、施主とリフォーム業者がお互い納得の上、工事に着手して欲しいと思います。
ただし、人とは違ったオリジナリティーの高いリフォームを目指すのであれば、それなりのコストアップは覚悟する必要があります。

一方、商品を支給する目的がコスト削減のみにあるのであれば決してお奨めできません。
施工業者も上記の理由で、通常よりも施工費や経費の見積額を上乗せしてくる場合もあるので、トータルでは大幅なコスト削減は期待できません。

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