太陽光発電付き中古住宅を購入する際に注意したいこと

太陽光発電付きの中古住宅が少しづつ市場に出まわる様になってきました。
今後は特に太陽光発電付きの中古住宅を希望していなくても、たまたま立地や間取りが気に入った家に太陽光発電が設置されていたといったケースが増えるものと思われます。

国内で太陽光発電付き住宅が普及し始めたのは2009年に個人向けの固定価格買取制度が導入されてからで、その後2011年3月に発生した東日本大震災の影響もあって急速に需要が高まり、その当時に建てられた住宅がそろそろ築10年を迎えます。
太陽光発電付きの中古住宅を購入すると、「初期費用をかけずに電気代が節約できてかつ売電収入が得られるのでお買い得!」「災害等による停電時の備えになるので安心!」とお考えの方が多いと思いますが、メリットばかりではないので注意が必要です。

まず太陽光発電付き中古住宅の新たな所有者になると、経済産業省に対して名義変更が必要になります。
この変更手続きを行わなければ売電できなくなる可能性があるので、購入する前に名義変更の手続きについてしっかりと確認しておくことが大切です。
また固定価格での売電期間そのものが終わってしまうと、メンテナンスに費用がかかるだけの邪魔な存在になってしまう恐れがあります。
太陽光発電装置が老朽化すると発電効率が悪くなったり屋根に設置したパネルが強風などで落下したりして、他人に損害を与えてしまう可能性も否定できないので、設置から年数が経過している場合には注意が必要です。
撤去するにも約20~30万円ほどの費用がかかってしまうことをお忘れなく!

太陽光発電付きの中古住宅は雨漏りに注意!

また住宅診断の見地からは、雨漏りのリスクが懸念されます。
最近は施工方法が改善されているので少なくなりましたが、太陽光発電が普及し始めた頃には技術的に未熟な施工業者が屋根に太陽光パネルを設置することが多かったので、雨漏りが多発しました。
現在の中古住宅市場には、この頃に建てられた住宅が多いので注意が必要です。
したがって事前にきちんと調査を行うことが不可欠ですが、太陽光発電パネルで屋根面が覆われてしまっているため、屋外から屋根を目視するだけでは不具合があるかどうかがわかりません。
天井裏への侵入調査などを行って、雨漏りの形跡があるかどうかを調べておくことをおススメします。
さらに屋根の太陽光発電パネルからの落雪によって、カーポートの屋根や雨樋、隣家に損害を与えてしまうケースがあります。
太陽光発電パネルは滑らかなガラスで覆われているため一般的な屋根材よりも落雪のリスクが高く、注意が必要です。

この様に太陽光発電付き中古住宅にはメリットが多い反面、デメリットもあります。
購入する際にはデメリットにも目を向けて、十分に検討することが大切です。

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太陽光発電パネルが設置されていると、屋根面の劣化状況は確認できない

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