皆さんが住宅会社やリフォーム会社にプラン作成や見積を依頼すると、ほとんどの会社が無料でプランや見積書を作成してくれるはずです。
そして皆さんもきっと無料で当たり前と思われている事でしょう。
しかしプランを作成するのも、見積書を作成するのも決してタダではできません。
あらかじめお客様からご要望のヒアリングを行い、敷地を調査したり、リフォームであれば時間をかけて現場調査を行う必要があります。これだけでもかなりの人件費がかかります。
一方、プランや見積作成に関わる社内の設計担当者や積算担当者、インテリアコーディネーター、営業マンには、会社から毎月給料が支払われています。
そして給料の中には当然このようなプラン作成や見積作成の対価も含まれます。
プランや見積を作成して無事契約できれば、契約金額の中にプラン作成費用や見積書作成費用を経費として含める事ができます。
しかし、どんなに優秀な会社でも100%契約できる会社はありません。成約率は高くても60%前後で、中には30%程度しか契約できない会社も多いと思います。(成約率が低い会社ほど当然経費もたくさんかかります)
また、契約をもらうために何度もプランや見積書を作成した挙げ句に契約できない事もあります。
それでは契約できなかった場合、これらの経費はいったい誰が支払っているのでしょうか?
プラン作成・見積無料は本当か?
住宅会社やリフォーム会社が負担する事は決してありません。
もちろん住宅会社の社員の給料が減額される事もありません。
それでは誰が・・・・。
実は、その会社で契約した他のお客様の工事代金の中に諸経費として含まれてしまうのです。
自分の家の工事代金に、他の知らない人のプラン作成費用や見積書作成費用が入っているというのが現実です。
この事は、意外にも住宅会社やリフォーム会社の中にも認識していない社員がたくさんいます。
契約をとりたいために何度も無料プランを出し直す事が、会社のコストアップに繋がり、他のお客様の見積金額
に反映されてしまう事を認識していないのです。
これは決して良い事ではありません。
しかし、住宅会社やリフォーム会社も良いと思っているわけではありません。
本音はプラン作成や見積作成を有料にしたいのです。
もともとは、大手ハウスメーカーがプラン作成無料と称して、敷地に企画プランをあてこんだだけのものを提出していた
のが定着し、次第に何もないところから設計をしなければならない注文住宅でも、無料でプラン作成と見積書作成を行うのが当たり前になってしまった様です。
企画プランでは坪単価に面積を掛けるだけで、見積書も簡単に作成する事ができました。
しかし、現在では一件づつが全て異なる注文住宅や住宅リフォームでも、プラン・見積無料は当たり前と思われています。
住宅会社やリフォーム会社もプラン作成や見積作成を有料にしたくても、有料にしたらお客様からソッポを向かれてしまいます。
設計事務所にプランを依頼しても、無料で作成してくれる事はほとんどないでしょう。
本来はこれが当たり前の姿だと思います。
住宅会社が作成するプランが無料なのは、設計事務所が作成するプランと比較して、対価をもらう価値がないものという訳
では決してありません。
住宅会社もリフォーム会社も、企画プランやパックプラン以外は、プラン作成も見積書作成も有料にすべきです。
そうなれば、住宅建築や住宅リフォームの見積書はもっと分かり易く明瞭になって、契約するお客様の工事代金もより
適正な価格となるはずです。