不動産を売却する場合には、不動産業者に仲介を依頼するのが今までの一般的な方法でした。
物件の広告宣伝や複雑な手続きなどを業者が行ってくれるので、安心して不動産を売却する事ができます。
しかし近年では、買取再販業者への売却が増えている様です。
買取再販業者では、カチタスやフジ住宅、インテリックス、大京グループなどが販売戸数で上位を占めていますが、国が既存住宅流通活性化の方針を打ち出して以来、たくさんの業者が買取再販マーケットに参入しています。
買取再販とは、物件を直接買取再販業者に売却し、買取した業者が物件をリノベーションして付加価値をつけて販売する方法です。
主に中古マンションをメインとして取り扱う業者が多い様ですが、一戸建と比べて耐用年数が長く、比較的品質が安定しているのがその理由だと思います。
買取再販業者は、不動産業者のみでなく、建築系の施工会社が宅建業の免許を取得して行う場合も多い様です。
本業を活かして、魅力的なリノベーションを施す事ができるのがセールスポイントになります。
「仲介」か「買取」か? 物件売却の際には十分な検討が必要!
物件を買取再販業者に売却する一番のメリットは、短期間で確実に売却が可能な事だと思います。
仲介による売却の場合は、購入希望者が現れるまで時間がどれくらいかかるのかわかりません。
3~6か月程度かかるのは普通でしょう。
1年以上かかっても売却できない可能性もあります。
買取再販業者の買取は、早ければ即日で行う事が可能です。
また、仲介手数料がかからない、瑕疵担保責任の負担がない、現状のままでも売却できるなどがあります。
一方、買取再販を依頼するデメリットは、売却価格が市場相場よりも大幅に安くなってしまう事でしょう。
仲介による売却価格のおよそ6~7割程度、安ければ5割位になるともいわれています。
これなら仲介手数料を差し引いても、市場価格で売却した方が高く売れる場合の方が多そうです。
市場価格を知らないと、思っていた以上に安値で取引されてしまう事もあるので注意が必要です。
しかし、リノベーションを行い、売れ残らないように割安価格で販売して、利益を出さなければならない買取再販業者の立場から考えれば、いかに安く物件を仕入れるかが勝負なので、リスクを考えれば当然の事だと思います。
差し迫って売却代金が必要な場合には買取を選択するしかありませんが、そうでない場合には、「仲介による売却」か「買取再販業者への売却」か自分に適した方法を良く検討する事が大切です。