建設業法上の罰則規定

過労自殺問題に揺れる広告大手電通に、先日異例の大規模強制捜査が入りました。
電通と言えば、「鬼十訓」。故吉田秀雄社長が1951年に定めて、長年引き継がれてきた電通の象徴です。
この「鬼十訓」、私が以前勤務していた会社に入社したての頃、当時の上司が心酔していて、毎日朝礼で唱和させられたのを思い出します。
「仕事は自ら創るべきで、与えられるべきではない」「大きい仕事と取り組め。小さい仕事は己を小さくする」、「取り組んだら放すな。殺されても放すな。」・・・
当時私は、社会人の厳しさを電通の社訓から学びました。
しかし時代の変化と共に、「働き方」も変わりました。数十年前の教えは今はほとんど通用しません。

さて、いろいろと問題を抱えた建設業界ですが、建設業法にも様々な規制が設けられていて、これらに違反すると不正行為等に対する監督処分を受けます。
監督処分とは、許可行政庁から命令を受ける行政処分で、違反の種類や程度によって「指示処分」・「営業停止処分」・「許可の取り消し処分」があります。

指示処分は、施工不良のため公衆に危害を及ぼした、又はその恐れがある、一括下請け(丸投げ)の禁止に違反した、建設業の許可違反、配置される主任技術者が工事の施工管理に関して不適当な場合などに対して行われます。(指示処分であっても官公庁の判断で指名停止になる場合もある様です。)

また営業停止処分は、指示処分に従わない時、建築基準法違反、独占禁止法違反、税法違反、談合罪、贈賄罪、詐欺罪などの違法行為をした場合、役員または使用人が懲役刑に処された場合、不正な手段で許可を取得した場合などが対象となります。

横浜の傾斜マンション問題では、杭打ち工事を行った1次下請の日立ハイテクノロジーズと2次下請の旭化成建材が営業停止処分、元請の三井住友建設が両社に対する適切な指導を怠ったとして指名停止処分を受けた事は、記憶に新しいところです。

そして経営業務の管理責任者・専任技術者が退職等でいなくなって建設業許可の要件を満たさなくなった場合や、指示処分・営業停止処分に違反した場合などは、許可取り消し処分を受けます。

悪質業者については、国土交通省のホームページの「ネガティブ情報」でチェック可能です。
社名、地域などで検索できるので便利です。また、行政処分を受けていればその内容も掲載されています。

また、これらの行政処分とは別に、刑事処分があります。
刑事処分は裁判所が直接処分、刑罰を与えるもので、建設業の場合は多くが罰金刑ですが、刑事処分を受ける事により、許可取り消し処分に繋がるので、重い処分といえます。

建設業は、自動車産業などと比べて、罰則規定が甘いという意見を良く聞きます。また、自動車メーカーにはリコールがあるのに対し、建設会社には同様なシステムはありません。また、欠陥住宅に関する明確な罰則などもありません。
これまでのやり方を続けていたら、建設業界は甘いと言われても仕方ありません。「建設業界の常識は世間の非常識」などと言われない様にするためには、業界内部でも自浄作用が効く仕組みづくりを早急に行う必要があるでしょう。

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