中古住宅のホームインスペクションの目的は、コンディションの把握だけでない!

6月に入り、プロ野球はセパ交流戦が行われています。
今年は、例年と比較して両リーグの実力が拮抗していると思われるので、毎日目が離せません。

さて、近年では、中古住宅購入前には、専門家による住宅診断(ホームインスペクション)が必要と言われていますが、実際に住宅診断を依頼する方は全体の1割程度といいます。
また住宅診断を行っても、その結果購入を取りやめるケースはほとんどないとも言われています。
しかし、私が行った中古住宅購入前のホームインスペクションの結果、残念ながら購入を見送った方もいます。
購入を見送る方の理由のほとんどが、建物の耐震性の低さでした。
物件に施工不良や大きな不具合が発見された場合、調査を依頼された方の残念そうな顔を見るのは大変忍びないのですが、不具合を無視するわけにはいきません。
事実は事実としてご報告させていただいています。

ホームインスペクションの主な目的は、消費者が主に中古住宅を売買する前に、「目視で住宅のコンディションを把握して報告する」事とされているので、建物の劣化状況の把握が中心になります。外壁や基礎に不具合の兆候はないか、建物の傾きはないか、雨漏りの形跡はないか等の調査がメインです。
しかし、調査の一環で屋根裏や床下の調査をすると、施工不良や構造上の不具合を発見する事も決して珍しくありません。
筋違いの取り付け不良や、金物の未使用、斜め材の不足などです。建物全体を細部まで調査する事はできませんが、点検口から目視できる範囲でもこれらの不具合が数か所見られる様なら、施工の信頼度はかなり低いといえるでしょう。
設計図や施工基準通りに施工されている可能性は低いと思います。

中古住宅であれば、多少の経年劣化は避けられません。細かな劣化事象まで気にしていたら、いつまで経っても満足できる物件を見つける事はできません。
しかし、経年劣化の場合は、購入後に適切なメンテナンス工事を行う事で、比較的容易に美観や機能を取り戻す事が可能です。
一方、新築時の施工に不具合がある場合は簡単にはいきません。特に構造上の不具合の場合は、詳細の調査や手直しに時間も費用もかかってしまいます。

中古住宅購入前の建物調査をお奨めする一番の理由

せっかく費用を掛けてホームインスペクションを行ったのに、購入を取りやめてしまっては、調査費用が無駄になるので勿体ないと思いがちですが、後で後悔したり、高額な補修費用がかかってしまうよりも全然良いでしょう。
売主様や不動産業者の方にとっても、引き渡し後のトラブルを未然に回避する事ができます。

私が中古住宅購入前にホームインスペクションをお奨めする一番の理由はここにあります。
建物の劣化度を診断してコンディションを把握するだけであれば、専門家の指導を受けて、最低限の道具を揃えれば、一般の方でもある程度は可能です。
しかし、中古住宅に長く安心して暮らすためには、専門家による診断は欠かせません。

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