不動産価格の査定方法と現状の問題点

不動産仲介業者に不動産の販売を依頼すると、まず「物件がいくらで売れるのか」の査定が行われます。
その際、販売価格はどのようにして決められるのでしょうか。

一般的には、不動産業者は現地を目視で確認し、土地や戸建ての場合は敷地の間口や奥行、前面道路の幅員などを実測します。また、法務局で登記事項証明書や公図、地積測量図を確認し、権利関係の調査を行います。
さらに市役所などで対象不動産にかかる法令関係の調査を行い、都市計画や上下水道、ガスなどの状況を確認します。
上記の調査と併せて、対象不動産の路線価や周辺環境、近隣の成約事例や他の売り出し物件価格などから総合的に判断して、査定価格を算出します。

以上の事からわかるように、中古住宅の売買では、建物の仕様や間取り、メンテナンス状態や不具合の有無等は、査定する上ではあまり重要視されていないのが現状です。
従来より、築20年を過ぎると建て替えられてしまう建物には、資産価値はほとんどありませんでした。
極端な言い方をすれば、「中古住宅なので不具合があるのは当たり前」という考えが、ごく最近までの不動産業界の常識だったと思います。
個人間売買で「現状有姿」による取引の場合は、一般的に売買契約時のままの状態で引き渡し、売主の瑕疵担保責任の保証期間はありません。

今後の中古住宅流通市場の中のホームインスペクターの役割

しかし、今後の住宅市場を考えると、これからはますますその様な訳にはいかなくなる事は明らかです。
これから中古住宅を購入しようとする人が知りたいのは、建物があとどれ位利用可能なのか、どんな補修が必要なのか、
自分の希望する「住まい方」ができるのか、といった事でしょう。
これらの疑問や不安に対して、的確な情報提供ができる不動産仲介業者はほとんどいませんでした。
また建築業者に相談しても、手間ばかりかかるリフォームよりも、取り壊して建て替える事を奨められてしまうかもしれません。

この様な状況の中で、建物の状態を調べ、購入希望の依頼者に対して、適確な情報提供とアドバイスを行うホームインスペクターの役割は非常に重要になると思います。
そしてホームインスペクターには、第三者性が求められる事は言うまでもありません。

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