最近、いくつかのリフォーム会社で研修の講師をさせていただく機会がありました。
研修の内容はオーダーメイドのオリジナルなので、それぞれの会社の事情によって異なりますが、メインとなる共通のテーマは「どうすればお客様満足度の高いリフォームを提供する事ができるか?」です。
私自身の20年間のリフォーム事業の実務経験をもとに、実例を上げてより実践的な内容となる様に心がけています。
現場調査のコツ(現場調査で見落としがちな事)、設計・施工上のクレーム対応(お客様からのクレームの実例紹介とその対応方法と対策)、法令上の注意点(リフォームの際に法令的に見落としがちな事例紹介)、検査で見落としがちなポイントなどの座学のほか、体験型ロールプレイ研修(ヒアリングの仕方)を行いました。
設計ミスや施工ミス、お客様からのクレームなどは決してあってはならないのですが、それでも起きてしまうのが現在のリフォーム業界の現状です。そして同じようなミスがあちらこちらで繰り返し発生しています。過去の間違いやクレームを幅広く共有化して、再発防止に努める事が大切だと思います。
この様な研修を積極的に受けるリフォーム会社は、顧客志向の高い会社です。
リフォーム会社の研修で必要な事・・・。
リフォーム研修というと顧客満足を目的に掲げてはいても、最終的には売り上げアップを目標としていて、主に営業手法を伝えるものが多いと思います。営業トークやイベントの集客方法、プレゼンテーションの方法、案内状やお礼状の書き方などを教えるものがほとんどです。
良い建物を作るための方法は二の次になっている様に感じます。
リフォーム会社にとっては、せっかく研修を行っても売り上げに繋がらなければ意味がない事は理解できますが、良い仕事をしない会社は絶対に永続できません。
リフォーム会社にとっての良い仕事とは、高品質なリフォームを提供する事以外にありません。決して小手先の営業テクニックではないのです。
私の現在の仕事は、第三者の立場から住宅のホームインスペクションを行う事ですが、その目的は依頼者が住宅の購入やリフォームで絶対に失敗しないためのパートナーとなる事です。場合によってはリフォーム会社との打ち合わせに同席し、施主の立場からリフォーム会社に意見する事もあります。
一方、欠陥住宅やクレーム予防のために、リフォーム会社に過去の事例を伝え、同じ様な間違いを繰り返す事のない様に投げかけていく事も重要な使命だと思っています。
今後、リフォーム会社での研修や勉強会の開催などの機会をできるだけ増やしていきたいと思います。