専門家でも、つい見落としがちなマンションリフォームの注意点

利便性の高い中古マンションを購入し、ライフスタイルに合わせたリノベーションをして住みたいと考えている方が都内を中心にここ数年増えています。

しかしマンションには戸建住宅とは異なる建築基準法による規制や管理規約による工事内容の制限、構造上の留意
点等があるので注意が必要です。管理規約の内容もマンションごとに様々で一律ではありません。

せっかく条件の合う中古マンションを購入したのに希望のリフォームができなかったというケースも決して少なくないのです。

知っておきたいマンションリフォームの注意点

reformcheckpoint

希望のフローリングが貼れなかった、水回り位置の変更ができなかった、電気容量を増やせなかった、給湯能力のアップができなかった等はよくある事なので、事前に管理組合やリフォーム会社へ確認しておけば後々問題にならずに済みますが、中にはリフォーム会社でも見落とす事がある内容もあるので注意してください。

例えば11 階以上の階にあるマンション住戸の購入を予定している場合です。大規模建築物は、内部で火災が発生した場合に火災の拡大を防ぎ、避難が円滑に行える様、内部を防火区画することが義務付けられていて、マンションはこの適用を受けます。

11 階以上の高層階では100 ㎡以内ごとに防火区画する事が義務付けされているのです。ただし緩和規定があり、内装、下地とも準不燃材料とする場合は200 ㎡ごとの区画になります。

通常マンションは1住戸ごとに防火区画されていますが、100 ㎡を超え200 ㎡以内の住戸は内装、下地ともに準不燃材としなければならず、リフォームでもこの性能を確保しなければなりません。
よって内装を無垢の木材で仕上げたり、下地材に木材を使用する事はできません。(ただし、内装制限を受ける壁の適用範囲は、床から1.2mを超える部分になるので腰壁部分のみは可能です)

低層階に住む知人が内装を無垢の木材にリフォームしていたとしても、高層階では同じ内容のリフォームができないのです。

壁一面に造り付け家具を設置する場合も天井や壁と一体とみなされる事もあるので、事前に建築主事等に相談した方が良いでしょう。
また1 住戸内部で防火区画されている場合もあります。この場合防火戸の撤去等はできません。

その他、マンションでは同じマンション内の同じ間取りの部屋でできた事でも、部屋が変わるとできなくなってしまう事もあります。

梁と柱に囲まれた部分にキッチンや収納家具を設置する場合も要注意です。
マンションにある柱型や梁型は通常下の階ほど大きくなります。上の階でピッタリと納まったシステムキッチンが下の階では幅が大きすぎて入らない、上の階で設置できた収納家具が下の階では梁に当たってしまい納まらない等の事も起こります。

この様にマンションリフォームを行う場合には、マンション特有の注意点があります。

リフォーム工事の内容ばかりでなく管理組合への届け出及び近隣対策や作業時間、エレベーター等共用部分の養生方法等にも配慮が必要です。

リフォーム会社の中でも、戸建住宅中心であまりマンションリフォームの実績のない会社だとリフォーム会社も知らずに法令違反の工事を行ってしまったり、思わぬ近隣からの苦情を受けて工事ができなくなってしまう可能性もあります。

この様な事が起きない様に事前に第3 者のチェックがあれば安心です。
弊社ではリフォーム工事内容のコンサルティング業務も行っています。

お気軽にお問い合わせください。

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