昨今の住宅ローンの低金利と空き家の増加、人口の減少等の影響で今後の賃貸住宅市場はますます厳しくなりそうです。
そのような中で、賃貸住宅のオーナー様も空室対策に様々な工夫をしている様です。
部屋ごとにインテリアのテーマを決めて室内のカラーコーディネートを変えたり、部屋の一面の壁紙をアクセントカラーとして入居者が自由に選べる様にしたりして差別化を図っています。
空室となった部屋に家具を置いてモデルルームとしたり、エントランスをギャラリー風にして季節ごとに展示を変え、入居者の目を楽しませようとするオーナー様もいました。
最近では賃貸物件でも自分らしい住まい方を求める需要が増えている様です。
そんな中で、あるテーマに特化した賃貸住宅を時々目にする様になりました。
イヌやネコを飼いやすい様に特化したペット対応住宅や、音楽や映画を鑑賞する環境を備えた住宅、楽器を演奏するための防音性の高い住宅、バイクや車好きの人のためのガレージ付住宅、子育てのしやすい住宅、独身女性をターゲットにした防犯性の高い住宅などの他に、サーファー専用の賃貸住宅などもあります。
私もこれらの賃貸住宅のリフォームに関わった経験があります。
これからの賃貸住宅のあり方を考える
そんな中で、私が個人的に興味があるのが都市型賃貸ガレージ。単にガレージのみでなく、1階に電動シャッター付のガレージを備え、2階のフリースペースと個別階段でつないだメゾネットタイプや、ガレージの中にロフトスペースを備えたタイプがあります。
1階のガレージでは洗車やちょっとした整備なら十分に行えそうです。トイレはあっても、キッチンや浴室はないので生活する事はできなくても、1か月10万円前後の賃料でも首都圏にある物件はどこも満室状態です。バイクや車好きの人だけでなく、アウトドア派の人達にもテントやタープなどの大型キャンプ用品や、マウンテンバイクやカヌー、ジェットスキーなども収納できるので、特にマンションに住む方には需要がありそうです。
こうしたコンセプト賃貸住宅や賃貸ガレージが今後増えていくと楽しくなりそうですが、実際に相場よりも高い家賃を払って入居を希望する人はそんなに多くはないでしょう。
事業として成り立たせるためには、立地や周辺相場などの市場調査を十分に行う必要がありそうです。
しかし今後の賃貸住宅は、従来の様に築年数や駅からの距離、広さ、設備などだけでなく、いかにして住まい方にも付加価値をつけるかが空室対策の決め手となる事は間違いなさそうです。
古い物件や一風変わった間取りなど、普通の不動産業者なら敬遠してしまいそうな物件に新たな価値を見出し、今までにない視点から物件を紹介するウェブサイトが注目を集めています。不動産の価値基準も少しずつ変わっていきそうです。