六本木3丁目のマンション現場で、昨日発生した足場材の落下事故。
作業員の作業ミスばかりが取り沙汰されていますが、作業している下の通行禁止措置などの安全管理に問題があった事は間違いないと思います。
人間がやる事にミスが絶対にない事はありません。現場の安全管理も欠陥住宅の品質管理も同じです。
さて、自動車業界では、自動車の自動運転化に向けて競争が盛んですが、建築・土木業界では、建設現場などで作業員を支援するロボットの開発が盛んに行われています。
建設現場の作業には、常に危険が伴うばかりでなく、近年では人手不足が深刻となる中、ロボットが救世主となる日も近いかもしれません。
すでに、腰に過度の負担をかけずに重量物を持ち上げられる装着型ロボットスーツや、下水道管の老朽の具合を点検するロボット、コンクリート製の橋脚を点検・補修するロボットなどが実用化されています。
また、大成建設(株)では、作業ロボットによる柱鉄骨の現場溶接自動化工法などの開発も行われている様です。
人間が近づけない危険な場所で作業できるロボットの開発が進めば、作業員の安全確保につながると共に、作業効率アップの効果は高いでしょう。
床下点検用ロボットはすでに運用開始済み
我々の住宅診断の現場でも、狭くて危険が伴う床下の点検・診断が行える床下点検ロボットが開発され、すでに本格的な運用が開始されています。
大和ハウス工業(株)では、2012年10月より住宅床下点検ロボットmoogle(モーグル)の販売を開始しました。(当時の販売価格 税込み210万円より)
照度が調整できるLED照明や、暗い床下でも鮮明に撮影できるCCDカメラなどを備え、手元のコントローラーによる無線遠隔操作で床下を自由に走行し、点検用カメラで撮影された映像は、無線LANの通信回線を利用してパソコンの画面に映し出されるので、リアルタイムに確認する事ができます。
そのため、オーナー様も床下の状態をリアルタイムに見る事ができるのが最大のメリットでしょう。また、人が入れない場所にも侵入可能です。
私も1年半ほど前に、moogleの運用試験に立ち会った事があります。
床下の段差や凹凸等不整地面における走行安定性や、ロボットの回収(無事戻ってくるか?)、カメラで撮影された映像の鮮明度、操作性などいくつかの課題をほぼクリアしました。
そして、床下点検の目的であるコンクリート基礎のひび割れの有無やシロアリ食害・蟻道の有無、配管や床下断熱材の状態なども十分確認する事が可能でした。
今後は、建物診断のみでなく、リフォーム前の現場調査や、耐震診断等様々な場面での活用も期待できそうですが、導入にあたっては、ほぼ乗用車1台分になる価格が最大のネックです。
現在、他メーカーからも床下探査ロボットがより安価で発売されていますが、操作性や信頼性の面でまだ難がある様に思います。
大和ハウス工業(株)では、日本ホームインスペクターズ協会会員に対して、先着10物件、ホームインスペクション現場でのmoogleのデモを申し込み受付中との事なので、興味のある方は是非お問い合わせください。
大和ハウス工業(株)床下点検ロボット「moogle(モーグル)」