住宅金融支援機構が2018年度「フラット35利用者調査」の結果を発表しました。
フラット35の7万7,680件の借入申込書の集計によると、注文住宅、土地付き注文住宅、建売住宅、中古戸建住宅、マンション、中古マンション全ての融資区分で、融資対象住宅の床面積が縮小している一方で、住宅取得資金は上昇しているそうです。
また中古物件の平均築年数は、中古戸建が19.3年で前年度から0.4年伸び、中古マンションは23.7年で同じく1.3年伸びているといいます。
さらに築年数21年以上の物件の割合は、中古戸建で45.6%、中古マンションでは55.5%に達していて、2011年度以降増加傾向にあるそうです。
確かに近年の建築技術は日々進歩していて、新たな工法や建築資材の採用により、住宅の基本性能や利便性は築30年前後の住宅よりも大幅に進化しているといえます。
これからは中古住宅の売買といえば、築21年以上の物件が主流になりそうです。
築21年(平成10年建築)の住宅であれば現行の建築基準もほぼ満たしているので、建築確認申請を行い、完了検査に合格した建物であれば、一般的には大きな不安はありません。
しかし、木造2階建てで延べ面積が500㎡以下の4号建築物といわれる建物の場合(ほとんどの戸建住宅がこれに該当します)には、構造基準への適合確保の責任は建築士に委ねられているので、建築確認申請を行っていても構造的に必ずしも安心とはいえません。
新築当時の設計監理や工事中の品質管理、施工管理が大きく影響します。
また、特に築21年以上の住宅では、建物の劣化具合や構造躯体の安全性なども、メンテナンスや修繕の度合いによって大きく異なります。
さらに気密性・断熱性が向上している分、結露対策も重要です。
したがって同じ築年数であっても個体差が大きく、その傾向は築年数が古くなるほど顕著になるので注意が必要です。
ホームインスペクションを行っていてわかるのは、築浅でも大きな不具合を抱えている住宅は少なくなく、補修やリフォームを行わない限り存在し続けています。
これから中古住宅を購入する際には、単に築年数だけにこだわるのは止めて、「良い物件と悪い物件」を正しく見極めることが大切になります。
また、自ら情報を集めて学習することも大切ですが、インターネットの情報は全てが正しいものとはいえないので注意が必要です。
インターネットで検索すると、中には間違った情報や、偏った情報、あきらかに専門知識を持たない人によって書かれた情報などが上位に表示されていることも少なくないので、専門書を購入したり、専門家の意見を聞いたりして、正しい情報を入手することが大切です。
インターネットの情報は過信しないことが重要!
特にインターネットの住宅・リフォームに関する記事やコラム、Q&Aなどは、必ずしも専門家が執筆したり回答したりしているわけではありません。
ライターが自分で集めた情報をまとめて記事にしているだけのものが多いので、くれぐれも注意して欲しいと思います。
本当に信頼できる情報は、タダでは入手できないと思った方が良いかもしれません。