リフォーム前には第三者の専門家による建物調査を!

先日、マンションでキッチンをリフォームして間もないうちに配管から水漏れが発生したとのことで、その原因調査を依頼されました。
調査の結果、漏水していた箇所はリフォームを行った部分ではなく、古い給湯管からであることがわかりました。
昔の給湯管には銅管が使用されていたため、古くなるとピンホール(小さな穴)ができて水漏れしてしまうことが少なくありません。

工事箇所以外からの漏水なのでリフォーム会社に責任を追求できる可能性は低いと思われますが、優良なリフォーム会社に工事を依頼していればこの事故は未然に防げたはずです。

というのも対象のマンションは築30年以上経過していて、管理会社によると同じマンション内で度々漏水事故が発生しているとのことでした。
1980年代に建築されたマンションの給水・給湯管は金属製の管が主流で、経年と共に腐食しやすい上に、地震の際に破損したり継手から漏水しやすくなります。
通常配管は床下や壁の中に隠ぺいされているので、配管を交換するにはキッチンやユニットバスなどの住宅設備機器を一時取り外して、床材や壁材を剥がす必要があります。
したがって単独で配管交換工事を行うと工事費用が割高になってしまうので、水回り設備のリフォームと同時に配管交換を行うのが一般的です。
築30年以上のマンションでは配管が老朽化していることが明らかなので、本来であればキッチンのリフォームと同時に配管交換を行っておくべきでした。
しかしリフォーム業者によっては、必ずしもこの様な提案やアドバイスをしてくれるとは限りません。
そしてマンションの専有部分(住戸部分)の配管からの水漏れはその所有者に責任があるので、下階に損害を与えた場合には賠償責任を負わなければなりません。
したがって古いマンションの水回りのリフォームを行う際には、可能な範囲で配管交換を同時に行っておくことが重要です。
近年流行のリノベーション済マンションでは、見えない部分の配管が古いままのことがあるので、注意が必要です。

適切なリフォームを行うためには第三者の専門家による住宅診断を!

リフォームに併せて同時に行っておくべき工事は、配管交換だけに限りません。
断熱改修や戸建住宅の耐震補強なども他のリフォームに併せて行っておいた方が良いケースがあります。
そこで適切なリフォーム計画を立てるためには、まずは現在の建物の状況を把握することが必要です。
建物の経年劣化の状態や不具合などを事前に調査し、優先的に補修すべき点や補強すべき点を明確にして、リフォーム計画に反映させることが大切になります。
一方、リフォーム前にはリフォーム業者も無料で現地調査を行いますが、リフォーム業者の調査の目的は見積書を作成するための調査がメインです。
また利害関係が伴うので、リフォーム業者の提案のすべてを信用してよいのかどうかの判断が難しくなります。
したがって工事の受注を目的としない第三者による診断で、リフォームに併せて行っておくべき工事や必要のない工事を判断することをお勧めしたいと思います。

弊社では、リフォーム前の建物調査を行っています。
調査はリフォーム経験20年以上、手掛けたリフォーム・リノベーション工事実績1,000件以上のインスペクターが行いますので、ご安心ください。
またリフォーム工事のプラン・見積書のチェック、解体後のチェック(想定外の腐食や修繕しておくべき箇所がないかどうかのチェック)、完成後の検査なども行っております。
まずは当ホームページのお問合せページからお気軽にお問合せください。

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マンションの床下配管の様子
1990年代後半くらいから、給水管と給湯管は樹脂管が主流になっています

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