また強い台風12号が九州に上陸する恐れがあるといいます。
耐震対策には、屋根の軽量化が有効ですが、台風対策にはマイナスになるので、建築業者の言う事を鵜呑みにせず、多方面から十分に検討して欲しいと思います。
さて、皆様の中には、自動車や家電製品を購入する際、アフターサービスの良さを購入の決め手とされる方がいらっしゃると思います。
では、住宅の場合はどうでしょうか?
私は長年住宅会社に勤務していましたが、住宅のセールスでは、アフターサービスの良さはセールスポイントのひとつにはなっても、購入してもらう決め手になった事はなかったように思います。本来は大切な要素のアフターサービスですが、住宅は自動車や家電製品と比べて、簡単には故障しないと思われているのかもしれません。
そもそも顧客が求める住宅会社のアフターサービスとは、どの様なものなのでしょうか。
・長期保証(保証延長システム)
・保証期間内の無償修理
・無料定期点検
・故障、不具合の24時間受付と迅速な対応
・DIYメンテナンスのアドバイス
・リフォームや修繕計画のアドバイス
・建物診断 など
といったところではないでしょうか。
これらの項目は、どこの住宅会社でもセールスポイントに掲げているので、あまり差別化になりません。
どこに頼んでも大きな差はないと思われがちです。
しかし、これらを全て高いレベルで実現できている会社は、ほんのごく一部の会社だけだと思います。
レベルの低い住宅会社のアフターサービス体制
住宅は、自動車と比較しても高額なので、顧客の立場からは自動車のアフターサービス以上の対応をするのが当然と思われています。
自動車の場合は、ちょっと調子が悪くなれば、ディーラーに併設されている整備工場に持ち込むか、営業マンに電話すればすぐに修理や点検してもらえます。住宅の場合は、それと同等以上の対応が当たり前と思われていても仕方ありません。
ところが住宅の場合は、アフターサービスの窓口に連絡する→アフターサービス担当者が見に来る→専門業者などが不具合の原因を調査に来る→手直し方法を検討する(責任を明確にして誰が費用を負担するのか決める)→手直し工事を行う
という手順になる事が多いので、とてもスピーディーとはいえません。
ひどい会社だと手直しを始めるまでに、1か月以上かかる場合もあるかもしれません。
住宅会社を決める上で、アフターサービスの良さが決め手にならないのは、決してアフターサービスを軽視している訳ではなく、住宅会社のアフターサービスは良いのが当たり前と思われているのに他なりません。
しかし、現実は、住宅会社のアフターサービスは、どこも自動車業界のアフターサービス体制の足元にも及びません。
定期点検やアフターメンテナンスを自社の社員が行わずに、委託している住宅会社もある位です。
こうなると何か不具合が生じた時には、責任の押し付け合いになって、解決できないケースなどもあります。
住宅産業がこれまでアフターサービスにあまり力を入れて来なかったのは、自動車購入のお客様にはリピートが見込めるのに対して、住宅購入のお客様には、それがほとんど見込めないという意識の違いがあったのは、間違いありません。
住宅会社では、アフターサービス部門にできるだけコストをかけない様にするだけではなく、優秀な人材を配置する事もないのが一般的でした。
これから住宅会社を選ぶ際には、アフターサービス体制の良し悪しについても、もっと重視して考えないと、後々大きな後悔をする事になると思います。