床下に水が溜まる原因は?

ここ1か月の間に、「床下に水が溜まっているので、原因を調べて欲しい」という依頼が立て続けにありました。
9月から10月にかけて観測史上類のない大型の台風が2度も関東地方を襲った影響もあり、床下浸水が疑われるケースもありました。

床下の漏水の原因は大きく分けると次の6つです。
1.床下の給排水配管等の設備配管からの漏水
2.基礎の配管貫通部の隙間からの浸水
3.基礎の打ち継ぎ部からの浸水
4.床下の著しい結露
5.外壁内の雨漏り
6.地中からの湧き水

RIMG4820
上記の写真は床下に深さ3cmほど水が溜まっている様子ですが、原因は給湯配管(銅管)の水漏れでした。 ※下写真
RIMG4817
配管の水漏れの場合は、床下の侵入調査で比較的簡単に原因を発見することができます。

また水漏れの有無は水道メーターで確認することもできますが、僅かな水漏れの場合は発見できないこともあります。
上記の例では、水道メーターのパイロット(小さなプロペラが付いている箇所)は動いていませんでした。

そして次に多いのが、基礎の配管貫通部の隙間や打ち継ぎ部からの浸水です。
建物内部の基礎底面が建物外周の地盤面よりも低いと、集中豪雨や台風で敷地内の排水が間に合わず、建物周囲に雨水が滞留して基礎の配管貫通部の隙間や打ち継ぎ部分から床下に流れ込んでしまうケースです。
このケースでは、しばらくすると床下が乾いてしまうので、余程の浸水でない限り発見や原因の究明が難しいことがあります。

下の写真では、基礎の配管貫通部の隙間から雨水が床下に侵入した形跡がありました。
RIMG4827

そして外壁やサッシ廻りからの雨漏りが原因で床下に水が溜まるケースもあります。
下の写真は、外壁内に侵入した雨水が床下を濡らしているケースです。
DSCN9677

そして主な6つの原因には該当しませんが、稀にあるのが在来工法の浴室内からの漏水です。
近年ではユニットバスが主流になったためあまり見かけませんが、古くからある在来工法の浴室は防水が完全ではないので、洗い場の水が浴室廻りの基礎から浸み出すことがあります。
建物外部の浴室周囲の基礎に水染みがある場合には、洗い場からの漏水が疑われます。
RIMG4578
上の写真の左側が浴室で、浴室内の水が基礎の打ち継ぎ部分から浸み出しているのがわかります。

床下で水漏れが発生したら二次被害防止対策が重要!

この様に床下に水が溜まる原因は様々ですが、床下で水漏れが起こった時にはいずれの場合にも水漏れの原因を修繕するだけでなく、二次被害を防ぐことが重要です。
床下にこもった水分のため、木材腐朽菌の繁殖が盛んになって土台や柱などの建物の構造耐力上主要な部分が腐食してしまったり、カビが繁殖して健康被害を受けてしまったりするケースもあります。
更にシロアリ被害の原因になることもあるので、要注意です。

また水漏れの原因は1つとは限らないので、床下を乾燥させて補修工事を完了した後にも定期的に再点検を行う必要があります。

床下がカビ臭い、湿気がこもっている等の症状を見つけたら、手遅れにならないうちに専門家による床下の詳細な調査をオススメします。

千葉市のホームインスペクション専門会社匠住宅診断サービスTopへ戻る